見出し画像

総会で賛成した人の内訳は?

 「駐輪場不足問題へのチャレンジ」では、(駐輪場に空きが生じないと)「新たな駐輪希望できないルール」から(駐輪場使用者を)「毎年見直すルール」に変更するために臨時総会を開催し・・・ほとんど全員の賛成(反対は1ありました)で可決承認されたことをお話しました。

 でも、賛成した全員が「100%手放しで大賛成!」であったかというと・・・そうでもなかったと思います。
 今回は、賛成した人(組合員)の内訳?気持ち?心情?みたいなことを考えてみたいと思います。

マンションの総会出席者

 マンション管理組合に限った話ではないと思いますが・・・多くのマンションの総会出席者は、「総会当日出席者」だけでなく「(賛否を書面で意思表示する)議決権行使書提出者」も「(議長等の他の方に賛否を委ねる)委任状提出者」も、そのカウントに含めます。「マンション標準管理規約」第46条 第4項に「組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる。(=出席者としてカウントする)」と書かれてあるからです。

 ちなみに・・・「管理規約」とは、マンション管理組合を運営するために必要な「原理原則が記されたルールブック」のこと。そして「マンション標準管理規約」(リンク先は「単棟型」)とは、「皆さんのマンションの管理規約(を作ったり、見直したりする時)の参考にしてね!」と、国土交通省のホームページ「マンション管理について」で公開している「管理規約」のことです。(偉い先生方が国土交通省の官僚と共に作られたので・・・書いてあることは「まあそうだよね」と思うことだらけですが、実に無味乾燥な条文が並んでます・・・ちょっと見ただけで嫌になるかも?(笑))
 
 ちなみに・・・うちのマンションで開催された前述の総会では、組合員全員(100%)出席!でもその内訳は・・・「当日出席者」約50%、「(書面による)議決権行使者」約40%、「委任状提出者(全て議長に委任)」約10%でした。
 「玄関ピンポン」の洗礼(笑)を受けていない?マンションに住んでいない人(非居住組合員)のほとんどは「委任状提出者」だったと思います。

 「委任状提出者」のお気持ちは、「(駐輪場のルール改正は)自分には直接関わりがないし、よく分からん・・・居住者の皆さんに(理事会に)任せるわ」という感じだと思います。少し遠い世界の出来事のように捉えられている感じかもしれません。言わば「受動的賛成者」ですね。

「能動的賛成者」88%の気持ちは?

 「当日出席者」約50%のうち、反対された方が1名おられたので・・・賛成者は約48%、そして約40%おられた「議決権行使者」は、全員賛成だったので・・・合計88%の方が「能動的賛成者」でした。
 でも、88%の賛成者のうち・・・「駐輪場使えなくて困っている~ありがたい」と賛成してくれた人は、3割くらいだったと思います。
 ただ、3割の中には、(毎年確実に割り当てがある)駐輪場1台だけ希望の人もいれば、複数台使用(=抽選が行われて駐輪できない可能性も否めない)を希望する人もおられました。1台希望者は「手放しで100%賛成!」だったかもしれませんが・・・複数台希望者は、多少思うところがあったかもしれません。
 例えば・・・「我が家の交通手段は自転車がメイン。優先順位は、希望台数順ではなくて(自転車の)使用頻度順で決めるべきでは?」とお考えの方も「能動的賛成」に手をあげられていました。

「三顧の礼」ならぬ「二顧の礼」?

 「玄関ピンポン」で訪問した時、「使用頻度順で台数決めるべきでは?」とご意見された方は、「年に数回しか乗らない自転車こそバルコニーにおいて欲しい。我が家の自転車は4台あるけど、全て毎日使っている」おっしゃっていました。
 その時、私は「お気持ちは分かります。確かに使用頻度に基づく方が駐輪場の有効活用に繋がりますね。ただ・・・使用頻度は希望者の主観的な申告になると思うので、客観性の担保ができるかどうか?『すまいの委員会』で検討してみます」とお話して帰りました。
 そして後日、再訪問して「『すまいの委員会』で検討しましたが、(残念ながら)使用頻度に基づく見直しルールの運用は難しい・・・という結論になりました。ただ、駐輪場の有効活用するお考えには委員全員が賛同しました。少しでも有効活用に繋がるよう、駐輪場見直し時は不要自転車の処分を管理組合で行なうことを提案することになりました」と検討の顛末をお伝えしました。

 この方は駐輪場を4台確保されておられたので、駐輪場のルールが改正されると4台目は確保できないかも知れない。普通なら反対されると思うのですが、総会では賛成された。
 「ボビー・バレンタインの『三つのR』」が上手く機能し、その方は「『すまいの委員会』が、そこまで検討してくれたのなら仕方ない。毎年見直す主旨は賛同できるので!」と賛成してくれました。

サイレント・マジョリティ

 それと・・・忘れてはならないのは「サイレント・マジョリティ」の存在です。「能動的賛成者」の約半分は、この{サイレント・マジョリティ」だったと思います。
 ウィキペディア(Wikipedia)によると・・・「サイレント・マジョリティ」は、「『静かな大衆』あるいは『物言わぬ多数派』という意味で、積極的な発言行為をしない一般大衆のこと」と書かれています。
 「能動的賛成者」として意思表明されていたとしても、実は「受動的賛成者」に近い方も一定数おられるのです。

 「サイレント・マジョリティ」は、「静かな大衆」ではありますが・・・じっと周りを見ています。この「サイレント・マジョリティ」が(賛成/反対の)どちらに転ぶかで・・・マンション内の方針が大きく変わります。

ノイジー・マイノリティ

 少数であっても声が大きい人・強い意見を発する人を「ノイジー・マイノリティ」と言うそうです。「ノイジー・マイノリティ」が、「サイレント・マジョリティ」を強引にコントロールし始めると(マンションに限らずかも?知れませんが・・・)皆が幸せにならないと思います。

 そして「ノイジー・マイノリティ」と「リーダーシップ」は、もしかしたら紙一重かも?と思う時があります。その差は何か?
 「ボビー・バレンタインの『三つのR』」で説明したいと思います。

「軍隊」と「マンション」で比較すると・・・

 例えば「軍隊」で「リーダーシップ」を発揮していた人が、同じ手法で「マンション」で「リーダーシップ」を発揮しようとすると・・・その方は「ノイジー・マイノリティ」に変貌する可能性が高いと思います。
 何故なら・・・「軍隊」と「マンション管理組合」では、「三つのR」のバランスが違うから!です。

 例えば「軍隊」では・・・
Responsibility(=誠実に自身の役割・責任を果たすこと)は、最重視される。(上官からの指令により役割・責任が決まる)
Respect(=お互いに敬意を払うこと)は、兵力(人)が数字や確率で扱われるので軽視され気味。
Reality(=現実を素直に受け入れて柔軟&適切に対応すること)は、規則(規律)で縛られることを強要されることからNGになる場合もある。

 一方「マンション」では・・・
Responsibility(=誠実に自身の役割・責任を果たすこと)は、重視される。(お互いが自主的に役割・責任を決める必要がある)
Respect(=お互いに敬意を払うこと)は、最重視される。
Reality(=現実を素直に受け入れて柔軟&適切に対応すること)も重視される。(相手の話を聴き、相手を受け入れることが重要)

 「会社」や「軍隊」方式で「ノイジー・マイノリティ」になり・・・「なんで周囲は分かってくれないのか!」と自己主張を続ける方がマンションにおられることがあります。そういう人って、ご自身ではノイジー・マイノリティ化してる!」と気づいていないことが多いように思います。

 そういう私自身も色々な場面で、(良かれと思って)「ノイジー・マイノリティ・たにやん」になっていることが多いかも?
 ちょっと恥ずかしい・・・(笑)
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?