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傲慢

立ち食いそば。

駅中に点々と存在して、存在するだけで一瞬僕らを「あ、どうしよかな食べたいな」と迷わせてくる存在。

あそこに僕は「傲慢」を感じた次第で御座います。

朝早く用事を済ます為に歩いていようが、
昼に移動中に何食べようかなと考えていようが、
帰る時少し〆が欲しいかも知れないと思っていようが、

あれは漂わせて来ます。芳しい香りを。
完全に紛い物の鰹出汁の香りを。
結局美味けりゃ、否美味そうなら別に宜しいという事でしょうか。

Clownには「田舎者」という意味も含まれているという事で、僕は田舎育ちです。
田舎は食しか楽しみがないのか舌が肥えている方々も多いわけで、
行った蕎麦屋は「ちゃんとやってるなぁ美味しいなぁ」と思わせてくれるお店が多いです。

かけ蕎麦、狸蕎麦、きつね蕎麦等シンプルな物にもこだわりを感じられ
花巻蕎麦、鴨南蕎麦といった自我を持ったものもありますね。

それは良いとして、僕は立ち食い蕎麦の「コロッケ蕎麦」に感銘を受けました。

「なんじゃこりゃ」と。

交じわう事のない筈の2つの必殺メニューが夢の共演を果たしました。

僕は蕎麦に乗せる揚げ物は天ぷらまでとたかを括っていました。
予想外の方向から予想を超えられました。凄い。

そのコロッケには「肉」の主張は許されないのでしょうか。
いや、メインは蕎麦ですから。
そうで御座います。蕎麦にコシがあれば良いんですよ。

おお、コシがあるね、口から血が出るかと思ったわ。

あれ、メインはコロッケだったのかもしれない。
気付いた時にはコロッケからは衣というものが存在しません。浸って。

そうそう、僕らみたいなモンには肉の味があれば良いんですよ。
おお、粉の味がするぞ。ん?何を食べているんだ僕は。

面白いなぁと感じていると厨房から人のものでない話し声が聞こえます。

「揚げれらたねぇ」「そだねぇ」
「どうやって食べられたい?」
「ソースをたっぷりかけられたいねぇ」「良いねぇ」
「ご飯のおかずになりたいねぇ」「和風だなぁ」
「パンに挟まれたいなぁ」「あ、それって密だぞぉ」
「そのまま齧って欲しいなぁ」「僕たち冷凍食品だぜ?斬新だねぇ」
「ビールのお供になりたいなぁ」「おや、大人だねぇ」

「お、摘まれた僕は先に行くよ」
「さてどうやって食べられるのかなぁ、僕はパン派だけど」

「え⁉︎蕎麦⁉︎」

と夢に溢れた彼らの運命は汁に叩き込まれ、
折角付けた衣を濡れながら剥がされる艶なものでした。

なんと人間は傲慢な事か。
友達に話したら一言「うるさい」と一蹴されました。ええ。

誠にどうでも良い1日の前座で御座いました。
今日は火曜日、先が億劫になる日々で御座います。

明日からは画像の切。
やっと答えが出た最近の備忘録。

本格的に冬が始まりました。
女の子が可愛くなる季節ですね。

いってらっしゃい、気をつけて。

感情が動いた時に価値は発生します。その時に頂ければ幸いです。