知人の舞台を観終わった帰り道に妙な場所にたどり着いた話〜リミナルスペース編〜
リミナルスペースをご存知であろうか。
この記事は私がリミナルスペースを体験した日の話である。
リミナルスペースを聞いたことすら無かった私。
しかし、確かにあの場所はリミナルスペースだったように思う。
今となれば、実在した場所なのかも分からない。
記憶力が弱いので、頭で創り出した記憶かもしれない。
でも、確かにあの場所に私は踏み込んだ。
リミナルスペース。
当時の私は知らなかったので後日ググった所
「ひと気がなく不気味な空間…みたいな。」
ザッと書くとこんな感じらしい。
小学生の頃、放課後の校舎が怖かったのを覚えている。なんとなくで。
たぶん、そんな感じなのだろう。
さて。
先日、知人の舞台を観に行った帰り道。
急に雨が降ってきた。
それもザァザァと激しめに。
急ぎ足で駅まで向かうと、いつもは意識していなかったからか、地下道を見つけた。
車線を挟んだ反対側の歩道には地下道からの出口らしきものがあった。
「よかった、信号待ちで濡れなくてすむ」
そう思った私は地下道へ降りていきました。
ここから先は思い出そうとして書いていますが、一部異なったり、話を盛っているかもしれません。
でも、ほぼほぼ忠実です。たぶん。
地下道を降りる階段を進むと、階段の折り返しにある曲がり角に突き当たった。
「こんなとこあったんか」
ポツリとつぶやくと、ボワァンと私の声が響いた。
振り返って階段を見上げるとザァザァ雨が降る外が見えた。
ふと、天井に目をやるとナニカが雨水で侵食されたのか、ツララのようなものが天井から垂れていた。
「ヤベェやん、鍾乳洞になるやん、ここ」
またボワァンと響いた。
そう思いながら階段を降りていくと左に折れる通路に出た。
地下道を降りる前、正面に出口が見えた。出口に対し左向きに入っていったから、不自然は感じなかった。
まぁいいか。と、私は左に折れた。
すると、嫌な感じがする通路に出た。
ゴォォォ…と、換気扇のような音が響く。
湿った足音が通路に響く。
湿度も高い、空気も悪い。
早く出口に向かおうと通路を進む。
進みきった先の曲がり角を曲がろうとすると、下へ降りる階段に謎の鉄格子が設置されていた。
―これより地下駐車場―
「んだよ、行けねぇのかよ。で、下じゃなくて上に行きてぇのよな」
ボワァンとつぶやき、元の通路を戻る時、ふと気が付いた。
「なぜ下に行く階段しかないのか」
車線を挟んだ反対側の歩道にあった地下道の出口と場所は近い気がする。
向きも合っているはず。
「なぜ上の出口に向かう階段がないのか」
湿度も高く汗ばんできた私は、早足になりました。
土地勘も無いので、単純に間違えただけかもしれません。
地下道は、きっと迷路みたいなものだから、私の勘違いだろうと。
とりあえず記念に。と、地下道の写真を撮ってみました。
で、問題なく帰宅して、noteのネタねぇな―とか思ってスマホの写真を見てたワケです。
そしたらさ、気付いたんですよ。
「地下駐車場への階段に鉄格子を設置してあったら、誰が下に行くのか」
写真にあるように、電気は付いています。
蛍光灯が綺麗なので、ボチボチ掃除もされているようです。
でも…行き止まりの道があるなんて。
私は田舎に住んでいるものですから、都会の人からしたら〝よくある話〟かもしれませんが、ひと気の無い通路、行き止まりの通路、たどり着けない地下駐車場。
果たして、なんの為に存在する道なのだろうか…と、頭を悩まされるワケです。
個人的には気持ち悪いな。と、思ったのでした。
たぶんアレだな、今夜も悪夢を見るんだろうなぁ…
ではまた。
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