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モチベーションの正体

生徒と関わってるとなんでこの子はやる気がないんだろう?とイライラすることってありますよね。

サッカーも勉強も何もかもモチベーションが全てといっても過言でないと思います。

そのモチベーションの正体を知ることで、感情的にならなかったり、違うアプローチを考えてみたり、話を聞いてみたり、ふと間を置いて熟慮することができる機会が増えました。もちろん人間なので、感情が上回ってしまう時もありますが。

その正体とは実はマズローの欲求段階であったとは、講座を受けるまで知りませんでした。教員であれば、大学の養成課程で必修し、採用試験の際にも触れていると思います。しかし、その本質を理解せず、スルーしていたような気がします。
自分自身やる気がなかなか出ない経験や他者がやる気がないように見え、自分のやる気もなくなってしまう事は少なからずあると思います。

マズローの欲求段階を下層から順番に満たしていくことで、モチベーションが上がり、行動力が高まり、結果や成果に直結していくことを学びました。ポイントは順番に満たしていくことにあるそうです。


1.生理的欲求
食欲、睡眠欲、排泄など生まれながらにして持っていて生きる上でなくてはならない欲求です。日本に暮らしていればほとんど満たされていることが多いですが、発展途上国など、この欲求が満たされない人々はそもそも何か自分で成し遂げようとする気力すら沸かないと思います。また、私たちもめちゃくちゃ腹が減っている状態や徹夜して睡眠が足らない状態、排便を我慢している状態ではそれ以上のことを考えられないですよね。生徒や選手たちが、何か動きがよくなかったり、やる気がないように見えたら、睡眠が確保されているか、朝ごはんを食べてきたかどうか気にしてあげる必要があると思います。

2.安全欲求
家族やクラス、部活など組織の中で安心安全が満たされているかどうかは非常に大切な欲求になると思います。家庭やクラスの人間関係のストレスを抱えている生徒は部活動で何か力を発揮できなかったり、モチベーションが上がならい可能性があります。両親がけんかばかりして、離婚しそうな状態や親からの愛情を十分に満たされていない状態では、何かに頑張ろうとは思えないですよね。友達関係で悩みがあり、部活に一生懸命になれない生徒も今まで多数見受けられました。そうゆう生徒のサインを見逃さずに話を聞いたり、寄り添ってあげること、一緒に解決できるように考えてあげることが教員やコーチには必要だと思います。
倉本和昌さんの本ではこのようにも書かれていました。

チームの中で
・自分の素が出せる(チャレンジが認められる)
・よくないことを指摘できる
以前の私のチームでも、やんちゃな先輩たちがいて、後輩がびくびくしてプレーしたり、ミスを怒られたり、失敗を笑われたりする時が存在しました。そのような中では、チャレンジしなくなりますし、行動しなけなれば上達しません。インターハイが終わり、選手権に向けて本気で勝ちにいきたい選手だけでやろうとなった時に、中途半端な3年生が残ろうとしたのですが、後輩たちや本気の3年生からの意見で、その3年生たち数名をを辞めさせるという監督としては苦渋の決断をするときがありました。しかし、その後の1・2年生の成長は目を見張るものでした。チャレンジが認められるようになり、自分の素を出していいチームの雰囲気になったからです。そして、ダメなことはダメと指摘し合えるような関係がありました。本音で胸と胸を突き合わせて意見を言い合い、議論できる組織はさらに上のステージへ引きあがり、チームスポーツをする上で欠かせない要素になります。
このように自分が所属する組織で関係の質を保つこと、自分はここにいて落ち着く、ここにいて居心地がいいという安心安全の欲求が満たされることはモチベーションを上げるために非常に大切なことです。

3.社会的欲求
これは他者とつながりを感じられる状態が満たされている欲求です。協力して物事に取り組み、様々なことを共有できている状態とも捉えられます。
人は誰しも他者とつながって生きていたいですよね。今ではSNSやネットの中でいつでもどこでもつながれるようにはなってきたので、その視点で言えば、満たされることは多いかと思いますが、クラスや部活などのチームとなったら、ここをいかに満たしていくかはやる気を出させる上で重要な要素だと思います。
どうしたらつながり感を持てるか、それは共通点を探す、作ることだと思います。初対面の人でも同郷であったら、一気に親近感が沸きますよね。
初対面の人と一気に仲良くなれる方法があります。それは偏愛マップを書いてお互いに見せ合うことです。


これを見ながらこれは同じだ!という共通点を探します。
好きなことや価値観が合う人と一緒にいれることで、つながりを感じられ、様々なモチベーションにも影響を与えてくれます。
また、チームで合宿をして、協力して夕飯を作ったり、体験学習をしたり、レクレーションを行ったりすることでつながり感を得られ組織が一体感を増して、個人個人のモチベーションアップにも影響が出るのではないでしょうか。
また、同じ目標やなりたい姿、ビジョンを共有できている状態もつながりを感じられることにもなると思います。ミーティングを頻繁に行い、自分たちはどこを目指しているのかを明確にすることはどの組織にも共通して大事なことです。

4.承認欲求
人は誰しも、誰かに認められたいとか、誰かの役に立ちたいという欲求があります。SNSのいいね!もまさしくその一つです。
ただ、他者から認められたいという欲求の前に、いかに自分のことを認めているか、自分を肯定しているかという自己承認が先になっているということを学びました。
自分が自分のことを認める、自分のことを知る、自分の良さが分かる、自分は自分でいいんだと認められるからこそ、他人のことも認められるし、他人から認めてもらった時に素直にそれを認めて受け入れられるようになります。
他人から褒めてもらったときに、いやいや自分なんてと自分を認められないことってありますよね。自分もそうでした。今も自然と受け取り下手になってしまう時もありますが、以前よりはありがとうございますとか、褒め上手ですねとか、結構それは言われますねとか言えるようになってきました。
そのような自己承認力、自己肯定感を高めるために必要なことは
自分を労う習慣をつくることです。これは思考習慣なので、毎日3週間ほど続けると自分の変化に気づいていきます。
今日できたこと、気づいたこと、意欲があったこと、行動したこと、結果を出したことに、俺偉い!自分は素晴らしい!自分すごくいい!と日記やメモ機能などに書いていきます。コミュニティーなどで毎日やるとさらにいいですが、自分は日記アプリに毎日書いています。
高校生と接していると
この承認欲求が明らかに足りないなと感じる生徒が多々います。自分のことを認めてほしいのです。その前に自分のことを自分で認められていないのです。コップに欲求が注がれるとしたら、スッカスカの状態で溢れんばかりの承認を自分でし続けるようにしないといけません。
そもそも、生まれて家族に愛情を受けてこなかったり、親から否定的な言葉をたくさん浴びてきた生徒、親だけでなく、先生やコーチ、友達からもそうです。自分責めを繰り返してきたからこそ、自分を承認できずに、他人から承認を欲して欲してやまなくなっていきます。
このような子供たちに教員として、サッカーコーチとして、親として何ができるかというと、
・自分の良かったところ、労えることを探すようなワークを毎日続けること
・まずは話を聞き、受け入れ、承認すること
・ポジティブな声掛け、良いところをたくさんホメ続けること
・成長感を持たせること(前より良くなった気がする)
・家庭に家族写真をたくさん貼る


以上のようなことを通して、関わる子供たちの自己肯定感を育み、承認欲求を満たすことでより上位の欲求を満たしたいと思えるようにさせることが、自分の使命でもあります。

5.自己実現欲求
いよいよこの段階に来れば、自分で自分を向上させよう、努力して成長しようとするモチベーションが沸いていきます。
キックがうまくなるには、映像を見て学ぶことも大事ですが、分かるとできるは違うし、練習すること、つまり行動しなかったら、いつまでたってもキックがうまくなることはありません。
その行動を起こすマインドを持つために
・生理的欲求
・安心安全欲求
・社会的欲求(つながり)
・承認欲求
のどれかが不足していると思考することで、
目の前にいる生徒や子供たちに関わる大人がどのような関わりをすればよいのか見えてくると思います。
教員として、サッカーコーチとして、親として子供たちにとにかく幸せな人生を送ってほしいと思っています。
幸せの定義はそれぞれだと思いますが、前向きに行動して、後悔の無い人生を送ってほしい。
そう願うからこそ、マズローの欲求段階、いわゆるモチベーションの正体を知識として頭に入れておくことが重要です。


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