【小説】不登校支援:国際家族と不登校
少年は怒り狂っているように見えた。
とある高級マンションのロビー。
ある少年がソファーで不貞腐れて、アイパッドでゲームをしている。
たしか13歳。黒人の少年。
イライラが10メートル先まで伝わってくる。
近藤は思った。
「今回のクライアントはこの少年か。電話では聞いていたが。」
「大人の言うことは聞かないぞという顔つきだな。」
少年はこちらには気づかずにアイパッドを凝視している。
近藤豊。34歳。
何の因果か不登校支援業をしている。
今日は横浜市の新規のクライアント宅に