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【本のこと】『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』

はじめに

皆さま、こんにちは。

最近、小学生の頃にハマったアニメ『ハイキュー!!』を観返しています。当時は、貪欲に成長と勝利に食らいつく彼らに胸を打たれましたが、社会人になった今、その火傷しそうなほどの熱さを、どこか羨ましい気持ちで見つめている私です。

ちなみに推しは、「烏野の守護神」リベロ・西谷夕(にしのやゆう)くん。「俺は身長が2mあってもリベロをやる」と言い切り、自分の役目を全うするためにひたすら努力する彼は、昔も今も私のヒーローです。彼のように真っ直ぐ生きてみたいものです。


相撲ライターと国会議員が日本を見つめる

さて、今回は、2022年の72冊目、和田靜香さん著、小川淳也さん取材協力『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』(左右社)をご紹介します。

著者の和田靜香さん、「国会議員に取材するくらいだから政治記者さんとかなのかな?」と思ってプロフィールを拝見すると、なんと「相撲・音楽ライター」の方。『世界のおすもうさん』など、相撲に関するご著書を出されています。

そんな和田さんは、衆議院議員の小川淳也さんを追ったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を観たことがきっかけで、小川さんに出会います。そして、「ドンドンドンッ、たのもーっ!」(11ページ)の言葉の通り、小川さんに政治の疑問をどんどんぶつけ、その対話に読者も巻き込んでいきます。

対話の内容は、「応援する候補者が当選したためしがない」から「間違えてもいい民主主義」まで多岐にわたり、「よく1冊に収まったなあ」と思ってしまうほど。この本をつくるために和田さんがどれだけ勉強されてきたか、その熱意に応えるために小川さんがどれだけ頭を悩ませてきたか、その熱が紙越しにじんわり伝わってくる気がしました。

ここで、印象的だった文章を3カ所ご紹介したいと思います。

国民と政治家が車の両輪として、お互いに頭を打ったり、膝を擦りむいたり、けん引し合って成長し合っていくしかない。

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』29ページ
小川さんの言葉

移民の人たちと身近であり続けながら、Weの感覚をしかと持ってきたか?私は自分に問いかけた。移民の人たちと日常生活を築きながら、私はずっとTheyとして、他人事に捉えてきたんじゃないか?決してWeにはならず、あなた方と私は違うって、心のどこかで思っていた。……私たちはWeになっていかなければならない。

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』165ページ
和田さんの言葉

私やあなたの1票は1億分の1だから。間違えてもそう大したことにはならない。逆に1億票も1票の積み重ねだから、私やあなたの1票は大事だ。

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』250ページ
和田さんの言葉

「選挙に毎回行っても、応援する候補者がなかなか当選しない」とモヤモヤしてきた私にとって、3つ目の引用文が属する「間違えてもいい民主主義」の項は非常に興味深かったです。1億分の1票を無駄にしないよう、これからも自分の頭で考えて投票していこうと思います。


おわりに

今回は、和田靜香さん著、小川淳也さん取材協力『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』(左右社)をご紹介しました。「政治に少し興味がある」「国会議員はどういうことを考えているんだろう?」という思いのある方に、ぜひオススメしたい1冊です。

この記事が、皆さまの読書生活に彩りを添えられれば嬉しいです。それでは、良い1日をお過ごしください!

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