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【本のこと】祈るって何だろう?


最近のこと

こんにちは。2024年が早くも1ヵ月終わりましたね。年齢を重ねるほど時が経つのが早くなる、なんて言いますが、あれは本当なのだなあとしみじみ感じる日々です。

軽く1月を振り返ると、かなり元気に過ごせた月だったなと思います。久しぶりに読書熱が盛り上がり、漫画も含めて17冊を読了。また、重い腰を上げて転職活動を開始し、現在は第一志望の選考を受けている真っ最中です。

元気に過ごせるようになった要因として、気持ちの変化があります。

ある日ふと「誰の中にも"絶対"は存在しない。私の心は私のものだ」という考えが頭に浮かびました。今までは、身近な人や影響力の強い人の言葉につい心を流されてしまい、体力を消耗してしまう、なんてことが多々ありました。でも、自分の心を、思想を守って良いのだと思えたことで、何だか少し強くなれた気がするのです。

鋼のメンタルでなくても良いから、自分らしく生きていく。その第一歩となる出来事だったように思います。

珍しくノンフィクション

さて、今回ご紹介するのは、岡内大三さん著『香川にモスクができるまで 在日ムスリム奮闘記』(晶文社)です。

活動のリーダー、フィカルさん。お召し物がとても素敵。

この本は、イスラム教信仰のための施設「モスク」を香川県に初めて建立すべく、インドネシア人フィカルさんをリーダーとする在日ムスリムの人々が奮闘する姿を追ったルポルタージュとなっています。

私は普段こういったノンフィクションものはあまり読みません。でも、この本の発売をXで知った私は、すぐさま本屋さんへ行って購入。どうしても読みたいと思ったのです。(しばらく積読してしまいましたが……)

その理由は「無知」。人生は知らないことで溢れていますが、特に宗教には苦手意識があり、今まで自分から学ぶ気持ちになれませんでした。でも、ここ数年、文化としての宗教に興味を持つようになり、特に分からないことだらけなイスラム教について知りたくなったのです。

祈りと共存

この本を読みながら、私は「祈るって何だろう?」とずっと考えていました。無宗教の人生を歩んできたこともあり、祈るという行為がどこか遠い存在のように感じていたのです。

「(中略)いいことも悪いことも、全部神様が決めたことやから、何が起こっても気にしなくなるよ。神様に全てを任せれば大丈夫やけん」

32ページ

フィカルさんは、信仰という規律を受け入れる代わりに、絶対的なものに身を委ねられる権利を幼いころから持っている。

33ページ

目に見えないし、存在するかも分からないものに身を委ねることで、心の安寧を保ち、1つの幸せを追求しようとする生活。文化的には遠いのに、精神的に何だか近く感じるのは、誰しも何かに心を預ける経験をしているからかもしれないなあと、ぼんやり考えます。

外国人だから、異教徒だから。たったそれだけで差別や偏見が生まれてしまう世の中で、私たちに必要なのは分断ではなく、共通項を見つけて共存していくことなのかもしれません。分断を超える努力をしていけば、世界は窮屈でなくなり、誰もが自分らしい幸せの中で生きられるのではないかと、祈るように思います。

好奇心

この本を読んで、私はイスラム教や在日ムスリムの人々に興味を持つようになりました。基礎知識があまりない状態なので、まずは内藤正典さん著『となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』(ミシマ社)を読もうと思っています。機会があれば、ここで感想をシェアしますね。

それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。素敵な1日になりますように。

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