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30話 移住して感じた大きな財産

このストーリーはノンフィクションです。
「わたしの、ブキヨウ道。」というマガジンに、これまでのストーリーが入っています。

前回の投稿からかなり時間が空いてしまい、現在進行形の話ではなくなってしまいました。
書きぶりも以前と変わっているところが多々あると思いますが、それもそれで、楽しんでもらえると何よりです。

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今回は、移住を実際にしてみて感じたこと。

思っているのと、やってみるのとでは、
全然違っていたなぁということ。

「移住をして自然の豊かな場所に住みたい!」

これは、自分の大きな夢だった。

もし、自分に子どもができたら豊かな自然に囲まれて、のびのびと育ってほしいなぁと思っていたし、教育者としても、教育と自然を掛け合わせて何かできたらという思いがあった。



移住先を検討するにあたって、さまざまな情報を集めた。

自治体の移住相談や移住フェアなどにも積極的に参加してみた。
ネットでも移住関連の情報をたくさん集めた。
知人にもおすすめの移住先を聞いたり、実際に移住されている方とつないでもらって話を聞きにいったりもした。

そのプロセスは、

本当に自分が求めているものは何なのか

ということを、強く意識するプロセスだったといえる。

自分がぶれていると何が良いのかわからなくなる。なので、何を大切にしたいのか、その反対で避けたいことは何なのか、などをノートに書き出して、自分の本音と向き合う時間を取るようにした。

書き出してみると、

パン屋さんが近くにある。
天候がよく、寒くないところがいい。
実家から遠すぎるのはいやだ。
森の緑が見える場所がいい。
etc...

自分のこだわりが意外なところにあるのだなぁと、驚くこともあった。

また移住候補先に実際に行って、住む家を紹介していただき、住みたいと思って憧れていた古民家を見させてもらった時、「あれ?」と思う瞬間があった。

あれ?思ってたのと違うぞ…

自分の中で、ずっと思い描いていたイメージがあった。
それは、家に縁側があって、目の前には中庭が広がっていて、子どもたちとのびのびと過ごしているイメージ。だから、住むなら古民家だと思い込んでいたのだ。

しかし、実際に目にした時、トイレやお風呂はきれいなのがいいと思ったし、一人で古民家に住むってなんかこわい…と思ってしまった。

もし、憧れていた気持ちを優先して、自分の本音をスルーしてしまっていたら、あとあと、とても後悔していたと思う。だから、その時感じた違和感を大切にして、あらためて考え直すことができて本当によかった。

実際に行ってみて、感じることでしかわからないことが多いということだ。

自分の「いい!」は自分にしかわからない。

ネット上には、さまざまな移住体験談も載せられていて、すごく参考にはなるが、その先の一歩は自分で動いて感じながら、進んでいくしかない。

これは、わたしにとっては、本当に地道で、骨が折れることで、時に暗中模索の中にいるような気持ちになり、心細いこともあった。

だけど、真剣に自分の心と向き合う大切な時間だったんだと、今となって、ようやく分かる。

移住してから、もう2年半近くが経つが、悩みながらも自分の心に従いながら進んだ道のりは誇りに思うし、その道の途中で出会えた人たちにはたくさんの励ましをもらった。刺激をもらった。勇気をもらった。
今も振り返ると、感謝の気持ちでいっぱいになって泣きそうになる。

そして、わたしの気ままな決断を受け入れ、認めてくれて、応援してくれた家族。受け入れてもらえるか、本当はとてもこわかった。
それでも、自分の心を大事にした結果、それ以上の大きな愛に自分は守られていたのだということを心底感じる機会になった。

やってみないとわからない。

だけど、自分の心を知らないともっとわからない。

自分の心と向き合いながら、進んで、また考えて。

そうやって進んでこれたからこそ、この道のりがとても価値のある大切な体験なんだって思える。

一歩踏み出した自分にも感謝!

大きな拍手を贈りたい!

サポートとそのお気持ちは、創作や家族の居場所づくりのために還元できたらと思ってます。