理由なんて無責任なもの
転職する理由も、引っ越しする理由も、髪を切る理由も、相手が満足できるような、納得できるような答えを投影したもの。
わたしは退職という大きな決断をしたけれど、よく人に「なぜ辞めたの?」と聞かれる。
初めは、考えて考えて、説明していたけれど、説明する度に、自分がなぜ辞めたのか、どんどん本質とずれていく気がしていた。
決断する、というのは、瞬発的なものではない。伝える時の勇気は瞬発性を要するが。
わたしは、この10年の間、「自分の道を自分で決めて切り拓く」人生の物語を、少しずつ書き加えていた。その結果、いろんな歯車が合い、「退職」という決断に至ったのだ。
だから理由は、そういうタイミングだったから、としか言えない。
相手が満足できるような、納得できるような、理由はいくらでも用意できるけど、自分の中では、それが答えなんだ。
理由なんて、無責任なもの。
「僕が旅に出る理由は、大体100個くらいあって…」と歌い始める曲がある。
でも、最終的には「僕には旅に出る理由なんて何一つない」と言ってしまう。
そんな無責任さが好きだ。自由。
理由という言葉で説明できるもの以上の、説明できない何かに突き動かされて、わたしたちはここにいる。
引用♪くるり「ハイウェイ」
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