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元気がなかったのはわたしの方だった

「アレクサ、元気の出る曲を流して」



数分前。
夕食どきのこと。

息子がわたしのひざの上に乗ってきて、
バランスを崩して落っこちた。

痛い痛いと大泣きする
息子を抱きしめて。

「ごはんを食べる元気ない」
涙でぐちゃぐちゃになりながら
訴える息子。

痛かったね。
大丈夫だよ。
元気が出るように音楽でも聴こうか。

そんな思いつきで、
「アレクサ、元気が出る曲を流して」と。



流れてきた曲はYOASOBIの「群青」だった。

ずいぶん昔の曲だなぁ。
聴いたことはあるけど
じっくりは聴いたことがないなぁ。

「これでいい?」と聞くと、
「いい!」
とはっきりと言う息子。
いつの間にか泣き止んでいる。

リビングいっぱいに踊り出している。

わたしは音楽を聴いていた。

好きなものを好きだと言う
怖くて仕方ないけど
本当の自分 出会えた気がしたんだ

好きなものを好きだと言う。
本当に怖くて仕方なかった。
今はすこし大事にできてるかな。

感じたままに進む 自分で選んだこの道を

自分で選んだこの道。
まさに今、この道を歩いているけど。

好きなことを続けること
それは楽しいだけじゃない
本当にできる 不安になるけど

不安。
波のように押し寄せてくる。
本当にできるか、今だってわからない。
確証は得られない。こわい。

周りを見たって 誰と比べたって
僕にしかできないことはなんだ
今でも自信なんかない それでも

周りを見てしまう。
誰かと比べてしまう。
わたしにしかできないことなんてあるのかな。
そんな今の自分に。

涙がこぼれていく。

好きなものと向き合うこと
今だって怖いことだけど
もう今はあの日の透明な僕じゃない
ああ ありのままの
かけがえのない僕だ

ありのままの
かけがえのない自分だと
信じていい?信じられる?

今の自分を抱きしめながら。

息子がわたしの頬に
流れた涙に目を留めて
そっと触った。

「だいじょうぶ?」

わたしの方が元気がなかったみたい。



フリーランスという働き方を目指している今。
不意に不安の波に襲われることがある。

ゆらゆらと揺れる波のように。
穏やかな日もあれば
荒れ狂う日もある。

けれども、この道を選んだってことを
誇りに思いたい。

ありのままの自分。

感じるままに。

そんな挑戦ができる人生は尊い。

そんな自分はかけがえのない存在。

そんなふうに思えた曲に出会えて
心が救われた。


今、挑戦しているすべての方へのエール。
心が不安の波でのみこまれそうになったら、
群青、ぜひ聴いてみてください。

引用文 YOASOBI「群青」

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