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嘉島唯
2019年5月11日 19:48
小学1年生の頃だったと思う。ランドセルを背負って通学路を歩く昼下がり、目の端に違和感を覚えた。 好奇心と不安に駆られて近づいてみると、鳥の雛の死骸とそれに群がる蟻の集団があった。 雛を見た瞬間、すでにそれは肉の塊になっているとわかった。毛もまばらな赤い肉。そして黒い小さな点がハイエナのようにたかっていた。 よく晴れた日だった。緑が風で揺れ、日差しがコンクリートの地面を照らしていた。平和