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あるまじろう
2020年4月28日 21:20
私の好きな人が私じゃない。 それは一番大きな問題だけれど私が気にしているのはそこではなかった。 私は私の好きな人になれない。 それが一番の問題だった。 告白をしたら友達のままでもいいかと言われた。私は下心を持ったままお前に接するがそれでいいのかと彼に聞いた。「いいよ。」 贅沢なやつだと内心舌打ちをしたが同時に私はほっとした。友達ならいつかまたこちらを向いてくれる日が来るかもし
2020年4月21日 22:30
男はある日、死刑判決を受けて死んだ。男は生前多くの人物を殺めた。それは老若男女問わず、その行いを平等と言ってもいいほどであった。 男は世間から恐ろしい人と言われ、前代未聞の悪人とも言われた。男自身もそうだと思った、自分は悪人である。だが男は人を殺しても感情の高ぶりはなかった。 男は幼いときに、ふとした興味で猫を一匹殺めた。そこで男は気付いたのである。自分自身のもつ殺めることへの才能である。
2020年4月14日 20:55
とある駅近の銀行の隣に赤い郵便ポストがある。縦に四角い形に、深緋色の身体に一本足で立っており、横一文字の口が二つ付いている。口のサイズは大と小の二つになっており小さいほうの口には「手紙・はがき」大きいほうの口には「その他郵便」と張り紙が貼られている。人々はポストを見ていないがポストは人々を見ている。 ある朝、ぼろ切れをまとった老人が腰を曲げながらポストを横切る。老人は昨日見た時よりも少し
2020年4月7日 22:52
昔祖母の家に行った時に神隠しにあったことがある。もう三十年以上も前の話である。当時そのころは十歳であった。 子供からみたらそこそこのお兄さんで、でも大人からみたらまだまだ小学生のガキ、十歳の時にいた俺の立ち位置はそんなところだった。 祖母の家の裏手には森があり、その先に神社があった。祖母がその山を管理していたわけではなく、離れた三軒先にある富岡さんという名前の人が管理をしていた。富岡さんは自