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【エッセイ】エロスを止めるな!

三谷幸喜氏は舞台「ろくでなし啄木」の脚本を書くまで、ラブシーンを書かなかったと聞いたことがある。
それより前に濡れ場のある作品があったらごめんなさい。

氏のラブシーンを書かない理由はこうだ。

「観客が濡れ場を見たときに私が実際にこうして女を抱いていると思われるのが嫌だ」

……、あなたの自意識高スギィ!!


いやいや、だれもあなたと小林聡美(元妻)のベットシーン想像しないから大丈夫!

いやでも、ちょっとわからないでもない。
私もベットシーンはごまかしながら書いてる。キスシーンにおいては、どのツラ下げて書いてんだと思いつつ、恥を忍んで書いてます。
だからキスシーンはたぶん2回くらいしかないはず。

私はとりあえずは既婚者なので、この先はいろんな男子と恋に落ちてもいられないですが、
あー、これは私が落ちるなって思うあのもやもやした感じは好きでした。

好きになった瞬間ってアレによく似てる。

とんねるずの「細かすぎてわからないモノマネ」したあとに豪快に床がパカっと割れて
落ちるアレ。私のはアレに近いかも。

落とされてるのかな、落とせてるかなと
ない頭で延々考えるあの愛すべき無駄な時間。

頭のなかでは槇原敬之の「フューチャーアトラクション」が引っ切り無しに流れます。
カタカナ。

なんか最近よくわらってくれるよね、ボディータッチしてくれるのなんでだろ。
どうでもいい秘密おしえてくれるな、どうしてだろう。

よく言われるけど恋はだいたい勘違いから始まるよね。

誤解、勘違い。
あとあれ、最初嫌いだったけど反転するタイプ。ギャップ萌えから始まることもある。スタンダードに私の味方でいてくれたってやつもあるわな。

ほんでさ、みんなで飲んで終電逃して
ふたりで漫喫のペアフラットとかに入ったら
もう、開始ですよいろんなことが。
その気もない人たちがふたりで漫喫になんて
いかないですからね。

深夜の漫喫にはエロスと安いロマンがあった。
モゾモゾした空気をエロの空気に変換するように互いに持ち合わせたカードを切る。

「好きだ」のキーワードを使わずに相手に好意を伝えるゲームの最終戦。
できればそのほかの言葉も使わず、目線と、
指の動きと、表情だけでふたりの勝利を導く。

前髪を触る、微笑む、ほおを軽くつねる、
唇をなぞる、唇をなぞられた指を舐める、
笑う。体をもっと密接させる。

その時のお互いの目、とても野生的で生々しくていい目をしていると思うんだ。
どちら一方が狩る側であってもいいし、お互いに狩猟民族出身でぎらきらしているのもいい。

漫喫でついいやらしいことをしていて
口の中に出され、飲もうか出そうか悩んでいたら、相手の人にあたまを引き寄せられて、
口内の精液全部相手が飲んだことがあった。
この人思ってたよりいい奴だなと妙に感動した。だって空前絶後だった。
サンシャイン池崎最近見ないね。

「え?いつも自分の飲んでるの?」

と彼に訊ねたら

「な、わけないだろ!」

と笑って、うへー自分の飲んじゃったよーと苦い顔をしていたのが忘れられない。

深夜に一体私は何を書いているのでしょうね。


そう、これを言いたかった。
「カメラを止めるな!」が観られてよかった。


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