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アスリートの心の悩みについて

NHKのクローズアップ現代でアスリートの心の悩みについて特集していました。なんとアスリートの34%がうつ病や抑うつの経験があるという数値が示されていました。昨今、気にはなっている案件でしたが、こんなにも多くのアスリート達が心の悩みを抱えているのかと衝撃を受けましたので番組の内容をシェアしたいと思います。

元水泳選手である荻野公介さんは、現役を引退した今でも病院に通っているそうです。死んでしまった方が良いと思ったこともあるとインタビューに答えていました。
心の不調が原因で競技から離れざるを得なかったとも。
世間のイメージと本来の自分とのギャップに苦しんでいたことも告白していました。「自分からしたら自分ではない、本当の自分でない人間にはなれない」という言葉から苦悩が滲み出ていました。壁は自分の力で乗り切らないといけない、サポートしている人に申し訳ない、そんな理由から打ち明けることが出来なかったようです。

元フィギアスケーターの鈴木明子さんは、SNSでの誹謗中傷に苦しんでいたことを告白していました。
スタイルが悪い、やめてしまえ、そんな投稿を見るたびに胃液が上がってくるようなという表現をしていました。なんでそんな事をSNSに書き込む必要があるのだろうか、理解に苦しむし、怒りさえも覚えます。
たくさんの応援あっても、ごく一部の誹謗中傷というのは、白い布にインクが一点にこぼれると広がっていき、あたかも多くの誹謗中傷を受けているような感覚になるとも表現されていました。

あるSNSで北京・東京五輪関連投稿が20万件あり、誹謗中傷は2200件、1人で379件受けたアスリートもいたそうです。ほんの一部のSNSなので全体でみたらもっと酷いものなのだと思います。

専門家はSNSでメンションするのは明らかに攻撃の意思があるとコメントしていました。誹謗中傷の中でダントツで多いのが、個人の価値観を押し付けるが60%でした。
「何やってるだ!」「俺ならこうする」こういうことを
俺理論というそうです。厄介なのは、本人には悪意がなく、本人が正しいと思っていることを発信しているだけということ。人間は正義を振りかざした時に一番攻撃的なると。本当に恐ろしい話です。

元バレーボール選手の大山加奈さんは、小学生の頃から日本一を目指して頑張っていた、バレーボールがなくなったら何もなくなってしまうような感覚だったと。大好きなはずのバレーが嫌いになったとも語っていました。
怪我をして、チームに必要にない人間なんだと思ったら、トレーニングルームがあった4階から何度も飛び降りたいと思ったというを話していました。今のアスリート達に声をかけるとしたら、こうでなければないという固定概念は不要で競技はあくまでも人生のほんの一部、今そこまで追い込まなくても大丈夫と言ってあげたいというのが印象的でした。

専門家は、アスリートが他者、知らない人からのこうすべきという言葉やコメントで苦しむのだと言っています。練習はもっとこうすべきだ、こうあるべきなど。また、昨今アスリートが声を上げ始めていることは良いこと自分のメンタルの話をすべきでない、では心の課題かあることを世の中には伝わらない。声を上げてニーズにする、アスリートって、こんなところでこんなにも悩むんだということを世の中が知ることが大切だと。そのストレスにどう対処してきたかという経験は多くの人の心の悩みの助けにもなるとも語っていました。アスリートと言えども生身の人間である事を理解してあげることが大切なのだと思います。

元バレーボール選手の益子直美さんは、そんなアスリートの相談を受けているそうです。アスリート同士で競技をこえて相談できたり、落ち込んでいるときには、どういう言葉をかけたらよいか、手探りのようです。それでも自分の価値観を押し付けない、知った気にならない、を注意しているそうです。
それわかるわかると、知った気になることが1番よくなく気をつけているというコメントにはハッとさせられました。アスリートに限った話でないですね。普段仲間や家族の悩みを聴く時にも通じると思いました。

アスリートにも弱音を吐ける環境が必要で、話を聴いてあげるとしても自分の中でのこうあるべきだを見直す、本心はわからないものなのでとにかく一生懸命聴く。このことを心がけているそうです。

私もスポーツ業界に身を置いている立場なので本当に考えさせられました。バスケ選手も大なり小なり心の悩みはあるのだと思います。このあたりにもリーグのトップとして配慮、気にしていきたいと改めて感じています。声なき声を聴く努力をすることはもちろんですが、選手達ともオフには話をする機会も作りたいと思います。また、アスリートの話ではありますが、日頃の悩みや人間関係にも応用が効くことも多々あると思いますので参考になれば嬉しいです。

最後に、バスケ界は、アスリートに向けては当然ですが、誰に対してもSNSや試合会場問わず差別・誹謗中傷は許さないというスタンスを明確にしております。

https://www.bleague.jp/files/user/Cheer%20with%20smile%20%2C%20Cheer%20with%20respect.pdf



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