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Bリーグ新人選手研修

今日、明日と2日間にわたってBリーグ新人選手研修が行われます。60名弱の選手が参加となりました。プロのバスケ選手としてBリーグ、Bクラブのビジネスのことやコンプライアンス、メディア対応など広範囲にわたります。講師は外部の専門家もいますが、Bリーグの役員が中心となって務めています。

私はトップバッターとして、メッセージを発する立場となりますが、こんなことを伝えましたというところをポイントだけシェアさせていただきます。今回は、例年のように資料を見せながらBリーグの成り立ちなどを話すことより、考えて気づきを与えるような機会にしたくほぼ資料無しで熱く語ることにしました。

まずは、前提としてバスケの競技者人口はおよそ60万人、半分は男子、Bリーグの日本人選手は、B1-B3まででおよそ550人。ものすごい確率で選ばれた選手たちであり、誇りとともに自覚を持たなくてはならない。だからこそ、支えていただいている皆様に感謝の気持ちを忘れてはならないという話からスタート。

次に2つほど私の好きなエピソードをお話ししました。最初にイチロー選手(当時、以下イチロー選手)のエピソード。22歳当時、首位打者3年連続獲得に向けて爆進中のイチロー選手に小久保選手(当時)が向かう所敵なしのイチロー選手に「そこまで数字残せていたらモチベーションはどうやってキープするの?」と尋ねる。イチロー選手の答えは、「自分の中に磨き上げたい石がある、その石を野球を通じて輝かせたい」と答える。ただ上手くなりたいだけではなく、とんでもなく高い視座でプロ選手としてのキャリアを送っていた選手がいたという話をしました。プロ意識について考えてもらいたく。

続いて、三浦カズ選手が若かりし頃、ブラジルに渡ってプレーをしていた時、貧困の国ブラジルではスタジアムに一生に一度しか訪れることが出来ない子供は沢山いた。だから、ホイッスルがなる前にスタンドを見渡すと鼻がツーンなるほどのアドレナリンが出て、震えるほど中途半端なプレーは出来ないと思って必死にプレーしていたという話をしました。

日本はそこまで貧困ではないですが、ティップオフ前にスタンドを見渡してこのお客様の中にも初めてのご来場でファンとなり継続して応援してくれるかどうかの瀬戸際、良いプレーをしなければいけないと思ってほしいし、日頃から練習にも励んでほしいとも伝えました。バスケ選手の成長にも想像力が大切であると。

締めには、私がジェッツ時代にも選手たちによく話していたことです。「ルーキーの皆さんにこの話をするのはイメージが湧かないかもしれないが」と前置きした上で、引退して自分の家族とスタンドで後輩たちの試合を観戦している自分を想像してみてほしいと。その時、何を思うか、プロ生活をやりきったか、悔いが残っているか。もし悔いが残っていても戻ることはできない。その時、悔いなしと純粋に後輩たちを応援できる心でいるためにも悔いの残らない選手生活を送ってほしいと。未来から逆算して今を全力で努力して欲しく。

未来のBリーグを支える選手たちのプロ生活が人生において素晴らしいものになることを願っています。

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