マガジンのカバー画像

短歌

49
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

実験的定型詩(1):短歌

実験的定型詩(1):短歌

鉱物的言語
が胃内に取り
込まれ
周囲の空
の噂をはじめる
万年筆の読点
として一匹
の蜂を捕らえ

あなたと比べる
照らし出す透明
な青い飴玉が転がり続けてひたい
に落ちる
驀地(まっしぐら)に字を書く
ように切り倒す
ようにわたし
が一行であ

改行さ
れ瞳を抉り死体
には動かないひかり
の実が生り
はじめる
#短歌

刻々に近づく

刻々に近づく

伝染病の骨を埋めて噴き上がる噴水塔が建つ海綿に
窓辺から不眠の鳥を放鳥し明滅している星の呼び鈴
トリケラトプスの共同墓地から立ち上がる溜息吐息の通風口が
恋人の匂いにあした眠るとき曲がった虹を青ざめる乳
澄明を内に閉じ込め鳥の眼がうつくしいものを次々殺す
うつくしくひからない鏡のなかのショッピングモールで買いそびれる
象徴的に聳える椰子の撓む音プテラノドンのため息に似て
通気筒

もっとみる