【詩】ぽすと・とうきょう
ぽすと・とうきょう
/とわさき芽ぐみ
ざらりとした声色の
夕立が街々の大きくうねるストローの中を
駆け巡って
脆いエンターキーを
腐ったエンターキーを
ことごとく叩き割ってゆく
ひらがなでできたはやくちことば
とうきょうとっきょきょかきょく
となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ
とうきょうは孵化していたのだ
いつのまに
ざらりとした木漏れ日のなかで
小さくうずもれた呼吸が
まだ、干からびた電卓を
照らそうとしている
2021.8.3
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