音床[おんしょう]

消去、焼却、壊れた地獄。

ありのままでいいと言う人工知能

紛れもない真実を如雨露に植える

空き瓶を蹴ったら割れるのと同じくらいの柔らかさでもって

紙飛行機と同じ柔らかさでもって
呼ぶ

風上にはもう誰もいない



株価が暴落した地獄。

ここでは全てが快適だった、とばあやが叫ぶ。

車椅子はもうばあやを運ばない
省エネモードだから。

風下に立っているのは誰だろう、
これから台風が来るのに

北のヤマダさん
南のウミダさん

地獄には天気予報がない。

さよならバーチャルリアリティ、今度こそほんもののおわかれ(;_;)/~~~

さよならを知らないとは言わせないよ優しき人工知能。

アグレッシブに動くそのタマシイは

出し入れ自由だ。

さあ紙飛行機を折ろう、
さあ大量のサカナを折ろう、

吹きすさぶいのちの呼吸イヤホンは君の嫌いなノイズを拾う

リュックにはしのばせたままのキャンディが温暖化により甘い海になり



生あたたかいゴミ箱の隅で



眠る。


地獄には、バス停もなく鳥もなく
紙飛行機しか乗るものがない

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