四半世紀前の話。わたしの父は歌が好き。大学のグリークラブ(男声合唱団)出身なのに、西方裕之さんの弟子の教室に通い、演歌を習い始めた。それで鳥羽一郎さんの「下北漁港」を練習する。憧れのダークダックスさんのような素直な歌唱を殺し、力み、唸るのだ。ちっともうまくない。いいのは音程だけ。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。