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精神疾患の私がWebライティングを選んだ理由

精神疾患と向き合いながら、個人事業主のライターとして活躍されているもさこさんをお招きした#106ライター勉強会
在宅ワークで働くメリットや実際のスケジュール、制度や保険など、実践的な内容を伺いました。

精神疾患がある方はもちろん、フリーランスの方も要チェックです!
(執筆 by 村嶋杏奈さん

■スピーカープロフィール

もさこさん
個人事業主のライター・ブロガー・ファイナンシャルプランナー・投資家|取材・紙媒体・ユーキャン添削講師|2級FP技能士・AFP・臨床検査技師・動物看護師資格あり|フリーランス協会一般会員|精神疾患と付き合いながらライターしたい人のライターメディア「ここライター」を運営。

【自己紹介】
・30代独身
・元臨床検査技師
・気分変調症13年(診断を受けたのは5.6年前)
・ブログ歴4年
・ライター歴1年2ヵ月

【活動歴】
・執筆本数560本以上
・月収平均28万円以上(3ヵ月目~案件数が増えた)
・文字単価2.56円
・時給約3,700円以上
・月の活動時間約114時間
・執筆ジャンル:医療・金融・ペット・リフォーム

【経歴】
・獣医系大学卒業
・医療系専門学校へ進学&大学で非常勤職員として勤務
・総合病院へ就職(4年)
・派遣社員へ転職(半年)→ダブルうつを発症→休職
・退職後、専業ライターへ(2020年9月~)

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【このページでわかること】

・精神疾患があっても、在宅ワークのWebライティングで、30万円程度の月収を得ることは可能
・「無理をしない」ことが大事!
・万が一のときは、社会福祉制度や保険を使うのがおすすめ

それでは、早速Q&Aにすすみましょう。

Q1 在宅ワークをすすめる理由は?

・人と接する機会が少ない
・外出のストレスが少ない
・体調に合わせて働ける

精神疾患のある方のなかには「人と話すのがいや」「スーパーの買いものに行くのさえストレス」という方もいらっしゃいます。

そういった方でも、在宅ワークだと人と接することや外出することも減るので、ストレスが溜まりにくくなると思います。

私自身、ライター業をはじめてから人と接することが少なくなり、今は月1回オンラインミーティングをするくらいです。電車に乗って出勤することもないのでストレスも溜まりにくいと思います。ベッドに横になりながらでも執筆できるのは、会社員と比べて楽なところですね。

会社員だと、朝体調が悪いと休むしかなく、誰かに迷惑をかけてしまうことがストレスになってしまいます。その点、在宅ワークなら誰かに迷惑をかけている心配もなくなり、精神的に楽になると思います。

体調が悪いときはちょっと横になって休んで、回復したら仕事を再開できるのもライター業をおすすめする理由です。

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Q2 在宅ワークを続けるコツは?

・仕事は腹八分目に抑える
・体調の悪い時期を把握する
・ストレスを感じる仕事は受けない
・納期に間に合わないなら早めに連絡

仕事を受注しすぎてしまうと、精神疾患が悪化してしまうので注意が必要です。精神疾患を持っていない方でも、追い詰められて病気になってしまうこともあります。

受注量は自分のキャパシティの80%くらいまでと決めて、少し余裕があるくらいにしておくのがいいと思います。

特に女性の場合はPMSがあるので、その時期を把握して仕事を入れないようにすると、精神的に楽になります。

あとは、自分の体調が悪くなりやすい時期を把握しておくことも大切です。例えば、精神疾患がある方は、4月と9月に体調を崩しやすいようなので、自分で調整できるようにしておきましょう。

具体的には、クライアントさんに前もって「〇月の発注本数を少なくしてください」と伝えておくのがおすすめです。早めに伝えて仕事量を調整してもらうことが、無理なく仕事を続けられるコツだと思います。

また、クライアントさんとの相性によってストレスを感じることもあります。もしクライアントさんとのやりとりがストレスなら、断るようにしましょう。フリーランスのライターは、仕事を選べるのが醍醐味なので、自分のメンタルを一番大切にしていきたいですね。

また、体調不良などで納期に間に合わないなら、ギリギリまで粘らず、早めにクライアントに連絡しましょう。こまめに連絡をしてクライアントを不安にさせないことが信頼関係につながります。

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Q3 実際のスケジュール管理方法は?

・月の最大本数を決める
・週に1日は調整日を作る
・休みの日も調子がいいなら仕事をする
・体調が悪いならすぐに休む

記事の受注量は自分のキャパシティの最大80%まで。
月何本、何文字書けるかを決めて、それを超えないように調整します。

特に精神疾患がある方は休み以外に仕事の「調整日」を作っておくと安心です。体調が悪く仕事に遅れが出たときのために、1週間に1日調整する日を作っておくと無理なく遅れを取り戻せます。

休みの日は仕事をしないのが基本ですが、精神疾患があるとオンオフ関係なく調子が悪い日があります。そのため、オフでも調子がいい日は仕事を進めておいたほうが精神的にも楽になりますね。

体調が悪い日は休む決断をしましょう。無理がたたると取り返しがつかなくなることも。心身に負担がかかると、最悪の場合ライターとして働けなくなってしまう可能性だってあります。自分の身体を最優先にしましょう。

私は、「ライター専用タスクシート」を使ってスケジュール管理をしています。noteで販売していて、最新版では稼働日を算出する機能や「働き過ぎ防止機能」も追加しています。ライターさんはつい働き過ぎてしまうので、稼働日の目安にしてもらいたいですね。

「【2022年版】ライター専用タスクシート」はこちら↓

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Q4 フリーランスでも使える社会福祉制度や保険とは?

精神疾患のある方が使える社会福祉制度や、フリーランスが加入できる保険はしっかりと活用するのがおすすめです。実際に使える制度、保険をピックアップしてみました。

1.社会福祉制度(国、自治体の制度)

精神疾患がある方が知っておくと安心な制度には、次の2つがあります。

■自立支援医療制度
対象者:統合失調症やうつ病などの精神疾患を有する者
内容:医療費1割負担、1ヵ月の医療費の自己負担上限額5千円から2万円(所得によって異なる)

※参考資料 厚生労働省「自立支援医療制度の概要」

■障害基礎年金
対象者:病気の初診日に国民年金に加入している者
内容:国民年金保険料の免除・1級年間976,125円、2級年間780,900円

※参考資料 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

2.フリーランスが知っておきたい保険

精神疾患があるなしにかかわらず、フリーで働く人に知っておいてほしい保険は次の3つ。

■個人賠償責任保険
・情報漏洩や著作権侵害による賠償請求
・入院による納期遅延のための損害賠償請求

ライターにありがちな賠償事案について補償してくれる保険です。裁判になった場合の弁護士費用にも対応していて、月1000円程度で加入できるので、何かが起きてしまう前に入っておくと安心です。

■所得保障保険
・病気やけがによって収入が減った場合に、所得をカバーする

万が一働けなくなって収入がなくなった場合に、加入時に積み立てていた掛け金が振り込まれる保険です。

■小規模企業共済
・個人事業主のための退職金

フリーランスは退職金が出ないので、共済金(解約手当金)を受け取れる制度を利用する方法もあります。共済金は、退職・廃業時に受け取り可能で、積み立てていた掛け金+αがもらえます。病気になってライターをやめるときは、廃業届けを出せば共済金をもらうことができるのもポイントです。

※参考資料 中小機構「小規模企業共済とは」

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Q5 実際に保険制度を利用したことはありますか?

個人賠償責任保険に加入していて、フリーランス協会に入っています。

ライターの損害賠償事例として、キャンペーンやLPなどの緊急性の高いものは相手に損害が及んでしまうことがあるので、納期遅延のための損害賠償請求などに備えられるのも安心ですね。

Q6 執筆ジャンルの選び方で意識していることはありますか?

今は、金融と医療系の執筆が多いです。ジャンルを問わず受けているので、美術や車などの記事も書いています。

もともと金融は得意でしたが、ライターをはじめた当初はどのようなジャンルでも受けていました。

取引のあるクライアントさんは編集プロダクションが多く、さまざまなジャンルの依頼がくるので、ビジネスやプログラミングなどのジャンルも受けていました。

最初のうちは全部受けて、徐々に絞っていくのがいいと思います。自分のやりたいジャンルを選んで取って行くより、書けそうなものを受注していく感じです。

未経験のジャンルでも調べて書けるものだったら受注するほうがいいと思っています。

Q7 Twitterからの仕事依頼はありますか?

過去に12社のクライアントさんと取引があり、直接TwitterDMに依頼をいただいたのが5社、Twitterの募集に応募したのが2社でした。半分以上がTwitter経由ですね。

ほかには知り合いのライターさんからの紹介やクラウドソーシングからです。
現在は5社、そのうち3件がTwitterで直接ご依頼いただいたもの。今も長くお付き合いしているクライアントさんはTwitter経由です。

Q8 Twitterの直接依頼を詳しく聞かせてください!

クライアントさんがTwitterでライターを探すときは、書いてほしいジャンルで検索をしています。直接依頼を増やすために、プロフィール欄を充実させておくことは大切です。

私の場合は、得意ジャンル、単価、資格を書いているので、検索条件にあった案件の依頼をしてもらうことが多いです。

Q9 営業は積極的にしていますか?

今でも自分で仕事を取りに行くこともあります。Web制作会社のライター募集を見て応募したり。

あとは、自分がやりたい仕事は待っていても来ないので、自分から営業をかけていくようにしています。

案件を探す方法は、クラウドソーシングではなくTwitterやWeb検索です。

初期の頃はクラウドソーシングを利用していたのですが、やりとりの方法が面倒なのと単発の仕事が多いので、最初から編集プロダクションにアプローチして契約につなげることが多いですね。

Q10 営業を成功させるコツはありますか?

返信を早くして、わかりやすい文章でやりとりをするようにしています。

契約前でも、クライアントさんは実際の仕事でやりとりするときをイメージしていると思うので、これからのお付き合いを意識することが大切だと思います。

Q11 単価をアップさせていった流れを教えてください!

一般的にライターさんが単価を上げる方法としては、単価交渉をするケースが多いと思いますが、私は今まで単価交渉をしたことはありません。先方から単価アップのお話があったり、単価の高いクライアントさんを探して乗り換えたりしています。

クライアントさんの資金面によっては単価アップが難しいことも多いですし、記事が低く評価されている可能性もあります。それだったら、もっと自分の能力を評価してくれるクライアントさんに乗り換えていったほうが早いかなと思っています。

仕事をしていくうえで、この文章だったらこれくらいは出してあげたいと思ってくれるクライアントさんと仕事をしていきたいと思っていて。工数に見合う単価提案をしてくれるクライアントさんとお仕事をしたいですね。

Q12 ファイナンシャルプランナーの資格を取るのにどのくらいかかりましたか?

ファイナンシャルプランナーの資格は、比較的簡単に取れる国家資格です。クライアントさんからも評価してもらえることが多いので、金融に苦手意識がなければ取っておいたほうがいい資格だと思います。

私の場合は2020年5月に3級を受けて、6月末に合格しました。そのあと、7月から2級の勉強をしはじめて、9月に試験を受けて合格しました。2ヵ月くらいの勉強で資格を取得できましたね。

3級から2級は内容がほぼ一緒で、難易度が変わるだけなので、新たに勉強する範囲が少なかったことも短期間で合格できた要因だと思います。

Q13 ファイナンシャルプランナーの資格はどのようなときに有利になりますか?

クライアントさんのなかには「資格を持っている人に書いてほしい」会社もあります。資格を持っているだけで書ける、単価を上げてもらえることはありそうです。

資格を持っているライターが書いた記事は権威性が上がるので、クライアントさんにとってもプラスですね。


■#106membersとは?

初心者から中~上級者まで。
Webライターのレベルに合わせた学びの場「オンラインスクール」と、
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■執筆者

こちらの記事は、#106ライター勉強会 にご登壇頂いたこともある、村嶋杏奈さんに執筆していただきました。

村嶋さん、素敵な記事をありがとうございます!


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