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映画→小説の順に『ある閉ざされた雪の山荘で』に触れた感想。 ※ネタバレ有
2024年1月に、原作は未読の状態で、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』を観てきました。(以下、閉ざ雪と称したり、しなかったり。)
まだまだ歴は浅いですが、WEST.のファンなので、主演である重岡大毅さんの演技と主題歌「FICTION」を楽しむことを目的に鑑賞。
結論としては、めちゃめちゃ面白かったです。あらすじだけの知識で行ったので結末には驚きましたし、主題歌もすごく世界観に合ってて良かった!
2024年3月13日発売のベストアルバム「AWARD」に収録予定!(宣伝)
で、満を持してnoteで映画の感想記事を読み漁っていたのですが、
どうやら、原作小説と映画の結末は少し違うらしい。
というか、原作小説が発売したのも1996年だったらしい。
と、初めて知る。それは……気になる……ということで、原作小説も買ってきました。(電子書籍がなかったので書店に駆け込んだ。)
本当は映画を観に行った次の日に買ったのですが、ようやく読み始めた頃は2月になってしまいました。でも面白くて、数日で読み終わりました。
ハァ~~~~ン!なるほどね!と、読み比べ?見比べ?をした感想を記録しておきたい!と思って、この記事を書いてます。(ここまでが前置き)
映画(初見) → 原作小説(映画の知識あり)という鑑賞した順番で、箇条書きで簡単に感想を綴っています。
両方の物語について言及しているので、どちらか片方しか触れていない、ネタバレは知りたくない、という方はご注意ください。
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映画『ある閉ざされた雪の山荘で』
完全初見。出演者しか知らない状態だったので、予告版を見るまで、雪山が舞台の話だと思ってました。雪降ってないじゃん!って言った。
ちなみに、せっかくだからと舞台挨拶ビューイング回(1/13)にしました。シゲちゃんが楽しそうにしてたので何より。
感想
面白かった!考察できないし観察力もない人間なので、漠然と誰が犯人かな……だけ気にして見てた。でもそういう次元の話じゃなかった。
4人は全部演技だった、と思うと序盤の見方が変わりそう。小説を読み終わったらもう一度観たいな。(と思ってたけど、最寄りの映画館では公開終了してしまった。円盤発売か、サブスク視聴を待ちます。)久我は、だいぶシゲちゃんみが強いなと思った。序盤で田所にイラッとしてるあたりとか……これも久我のキャラクター性だろうか、と思った。
田所とか笠原とか、イヤな人間性を出す演技ってすごいなあ。
ラジオ体操のくだり好き。かわいい。
ハートの紐も笑った。さすがにこれは映画だけの演出?
舞台挨拶でも監督が触れてたけど、間取り図のシーンすごく面白い。これは映像ならではの演出だなあ。
麻倉雅美、もとい森川葵さんの演技に圧倒された。ファンになっちゃいそう!他の作品も見てみたいな。
雅美が事故に遭ってしまう原因、ひどすぎた。人間って愚か……。
でもなんか最後の方、わかるんだけどわからないというか、ちょっと足早だった印象。小説を読めばもっと理解できるんだろうか。
ああ、お芝居復帰したんだ、よかった……って思ってたけど、色々な感想を読んで気付いたけど、あの山荘の一件自体、全部お芝居だった可能性もあるってこと!?「どこからどこまでFICTION」ってそういうこと!?
解釈が広がりすぎて面白いな!?やっぱりもう一回観たいな~!!
先着の特典もらえました。最高。もったいなくて剥がせない。
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小説『ある閉ざされた雪の山荘で』
映画の知識を持った状態で、2月中旬頃にようやく読みました。手を付けるのには時間が掛かるけど、読み始めたらあっという間でした。
映画との違いに焦点を置いた感想がメインになります。
感想
おい!久我くんやっぱりだいぶキャラ違うやんけ!野心家だなあ。でも定期的に挟まる久我視点の独白、面白かった。
というか、どのキャラにもちょっとズレを感じる。これは現代版にアップデートした都合なのか。中西貴子とか、白痴って言っちゃってるもんなあ。元村由梨江も、映画だと劇団内での後輩感強かったけど、小説だと対等に感じる。
ていうか久我くん、由梨江のことそんなに好きだったとは。そして田所は映画より気持ち悪くなかった。強引じゃないからか。これも時代性か?
あの山荘、管理人いたんだ。なかなかのクズだったけど。
1996年の小説が2024年の映画になったことで、スマートフォンという反則アイテムが誕生してしまったんだなあ。時代背景をアップデートして脚本との整合性を取るの、大変そう。っていうのと同じで、防犯カメラという便利なアイテムができたから卓球台なんてアナログな仕掛けも不要になったのか。先生の音声用意はちょっと無理やり感あったけど。(芸能界で仕事する劇団員ともなれば、その辺のツテもあるんだろうか。)
あーーーー!あーーーー!これ、雅美視点だったんだ!雅美と久我の独白で成り立ってたんだ!おもしろーーーー!って一番テンション上がった。
殺人が全て終わったあと、雅美はどうするつもりだったのか……が、映画をさらっと観ただけではあまりわからなかったので、小説を読んで納得した。映画の雅美は、最後の最後、本多達の芝居だと気付く直前まで復讐心だけが原動力だったように感じる。もしあれが途中で芝居だと気付いてしまっていたら、どこからどこまで……の考察が通用しなくなるので、それもあえての演出か。おもしろ~!
小説の本多雄一は、映画よりもさっぱり男くさい。それもまた良い。
映画の雨宮は、結構人間くさかったけど、小説の雨宮は掴みどころがなかった。ところで、雨宮ってなんでそんなにモテるの……?(ごめん)
「誰も想像できない衝撃のラスト!」という映画の宣伝文句の通り、映画の結末は小説とは違うものでした。違うとわかったうえで、救いを感じる映画の結末も好きだし、小説の終わり方も好き。個人的には、小説版の麻倉雅美と本多雄一の関係が好きでした。
「芝居は殺し合い」「芝居は生かし合い」のフレーズ、あれ映画だけだったんだな。そういえばなかったなあ、くらいの印象だけど。
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別媒体化した原作作品、全てに言えることなんですが、どこから触れたとしても、初見で楽しめる媒体は一つだけというのが、本当に悔しい。
(今回で言うと映画のみ初見、小説は物語二回目、という感じ。)
映画を初見に選んだこと自体は何も後悔していない。面白かった!
でも小説だって初見で楽しみたかった!私自身の初見感想を知りたかった!
人生たった一度の選択を楽しむしかないと思うものの、悩ましい。
なんにせよ、どちらも面白かったです!
また何か小説を読みたいなあ、ツボに刺さる作品を見つけるのが難しい。