きたる
日付が変わった、零時になって、6月になった。雨の匂いと夏を帯びた空気、曇り空、じめじめと愚図ついて、そう、わたしのような、そんな6月である。わたしは追い立てられている。すり抜けるように日々が終わっては始まる、わたしは必死に、でもない、なんとか人間の形をするように無為に、或いはなにか有意義に、過ごしている。6月が来た。取れない疲れと死にたいと逸る心をアルコールとエナジードリンクで殴りつけている。あなたの言葉だけがいのちをつないでいる。強い酒は飲まなくなった。オーバードーズもやめた。タトゥーだけが比例するように増えた。たりないあたまで、どうか忘れたくない、わたしが愛したそれらを。27、わたしはまだ、なにものでもない。ただあるだけ、で、このままで果たして許されるのだろうか。生活は変わらない、変わらずに苦しい、文字を紡ぐこともめっきり減った。新しい景色をおぼえた、それでも、わたしは、どうやら天才ではないんだな、このままきっと何も変わらず、何も生せず、年齢だけ重ねていくんだ。ただ、ただ、呼吸だけをしている。生きていたい。生きていたくない、もう。死にたい、けれど、少しだけ生きてみたい、未来というのは怖い、老いるということは怖い、許されないことばかりが増える、なあ、もうこれ以上、大人になんてなりたくない。生活は変わらない。身勝手に苦しい。わたしはもう直ぐ、死ねないままで27になる。
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