ゆき
恋愛をしたいとか、恋人が欲しいとか、そういうことを考えることが殆どと言っていいほど無くなった。わたしには欠如しているものと捉えて初めて、替りに寂しさと、虚しさと、無力感と、それから罪悪感が残った。痼のように、石のように、少しずつ少しずつ積もって燻って侵食する。負け惜しみとか、負け犬の遠吠えとか、そんなこと思ってればいいんだ、こんなわたしに人間として価値があるのだろうか。酷く欠陥があるように思える。他人のことも自分のことも大抵嫌いだ。夢の中はうつくしい。非現実だけが真実だ。わたしは、四半世紀生きても、人間のスタートラインにも立てやしない。セクシャルマイノリティであるかと思えど、どうやら違うらしい。議論の場にも立てない、人を愛せないということは、人に興味を持てないということは、誰にも心を開けないことは、酷く寂しく、また欠陥である。
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