好奇心のベルカーブを職場に当てはめる
以前、ある人に教えてもらった話なのですが、好奇心の高まりというのは「ベルカーブ」を描くそうです。たしかに、図にしてみると分かりやすいんです。よくイノベーター理論でも描かれるような図ですが、それとは異なります。縦軸は好奇心の高まり具合を示し、横軸は知識の量を示します。
つまり、
知識が全く無ければ、好奇心が生まれることも無いですし、逆に知識を多く得れば得るほど好奇心というものは失われていくものなのだそう。
生活の中での様々なシーンを思い浮かべると、これには合点がいくのではないでしょうか。(もちろん、全ての物事や人に当てはまることではないのですが)
身近な例を思い浮かべてみる
例えば最近はアウトドアを楽しむことが人気ですよね。
私は基本的に自宅で映画やアニメを鑑賞したり、ゲームをしたりすることが好きなインドア派です。
ところが、友人家族に誘われてバーベキューやデイキャンプをしたり、仕事関係やSNSで知り合った人にキャンプの面白さを聞いたり、情報番組や情報誌や各種メディアの特集で見かけたりして、少しずつ興味関心の高まりを感じています。まだまだ初心者ですが、まずはデイキャンプかつ一式レンタルからスタートしてみようかとか、でも子どもが小学生のうちに行っとかなきゃなとか、そのうちソロキャンプとかデビューしてみたいなとか、いろんなことに想像が膨らんできます(笑)
例えばよくある話ですが、子どもの頃に祖父母に「まんが日本の歴史」を買ってもらって、何度も何度も読んでいるうちに歴史に興味が湧いてきて、祖父が見ている「大河ドラマ」も一緒に観初め、結果として中学高校時代は歴史の成績は相当良い状態になりました。ちなみに初めてしっかり観た大河ドラマは「太平記」でした!(懐かし過ぎ!真田広之氏が足利尊氏!)
最近では何かのメディアでたまたま目に触れた「ハコヅメ」のドラマの情報をみて、観てみたいなと思い視聴開始→見事にはまる→もっと知りたい→原作コミックにも手を出す→なんと来年にはアニメもあるらしい→アニメも楽しみ!みたいなのりで、芋づる式に世界にはまりこんでいくケースもありました。
無関心じゃ困るシーンについて
その世界観が広く奥行きが深いものであれば、ずっと好奇心をキープすることもできるかもしれません。いくら知識をひろってもひろいつくせないくらいのものだってきっとありますし。
どこまで極めたいかは、人それぞれだとは思います。なので、人によって好奇心の上限や、知識欲の上限などはありますし、個人差はあるでしょう。
しかしながら、これだけは確かなのは「知識が全く無いと、興味関心が湧くすべもない」ということです。何らかのきっかけで情報が目や耳に入ってくることで、ほんの少し興味に心が動きはじめるものなのでしょう。
これが趣味の話なら、問題になることは少ないと思います。
問題なのは職場や組織での話です。
仕事はひとりでできるものはほぼ無いに等しく、必ず誰かとどこかでつながっています。余計な情報は不要とは思いますし、無駄に相手のことを知る必要が無いケースも確かにありますが、少なくとも同じチームで協力し合って仕事を進めないといけない場合や、一緒に共通の目標のために仕事をしているメンバーのことを全く知らない状態だとどうでしょうか。
全く知らない=無関心ということです。
無関心がはびこる職場ってこわいです。そこにいる人たちは仕事は孤独なものだとか、辛いものだと思っている可能性が高いのではないでしょうか。
別にチームのメンバーに好奇心旺盛になれという話ではなくて、でもお互いにどんな仕事をするのかとか、どんなこだわりを持っているのかとか、どんなことが得意でどんなことが苦手なのかなとか、どんなことが好きでどんなことが嫌いなのかとか何も知らなければ、より良い仕事につながる相乗効果は期待できないのではないでしょうか。
ただ単純作業の業務をもくもくと遂行するだけで、それが求められているなら仕方ないかもしれません。けれど、業務を改善したり、創造性が求められたり、何かを企画したり提案したり協力することが必要な場合は違います。
まずは相手のことを知るきっかけをつくる。場でもいいし、イベントのような機会でもいい。自分も可能なことはオープンにする=自己開示する。自己開示したら、誰かが反応しっかりすることを良しとすること。それではじめて、自分の存在が認められたと感じるし、開示していいんだという気持ちになります。それが心理的安全性への、最初の最初のファーストステップじゃないでしょうか。
お互いのことに関心がない、自分さえよければいい的な組織の話を聞くたびに残念で仕方ない気持ちになるのです。一度しかない人生、せっかくならイキイキ働ける場にしていこうやって本気で思います。
No fun, No gain。成果をだすためにも、楽しむ工夫を。
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