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【ショールームレポート】MAGIS

会社で月に数回行っているショールーム見学。
今回は青山一丁目〜外苑前にあるブランド3店舗をはしごしました。
どのブランドのご担当者の方も歴史やフィロソフィー、商品一つ一つについて丁寧に説明してくださって、本当にありがたかったです。
今までふらっとショールームに行ったり、新製品発表会などには積極的に行ったりしていたけど、ご担当者の方に時間を取っていただいて基本的なことから説明していただくと、圧倒的にブランドへの理解が深まるし、記憶に残るなぁと実感しました。
さて、今回はイタリアのブランド、MAGISについてご紹介します。


MAGISのはじまり

1976年に北東イタリアで、創業者ユージニオ・ペラッツァによって設立されました。
戦争を経験していない家具ブランドで、もっとも成長の早い家具会社と言われています。
もともとユージニオはキッチン用品を販売する営業マンでしたが、その会社は商品の研究開発はしておらず、常日頃から商品開発に注力したいと思っていました。
そんなある時、街を歩いていると本屋のショーウィンドウでKnollのWire Chairの写真を目にします。
Wire Chairは自社で得意とする加工技術と同じ技術を使ってつくられたチェアでした。
会社に戻り、同じ椅子を作るのにいくらかかるか見積もると、1/5の価格で作れることがわかりました。
技術は確保していたので、デザイナーを探し出し、共同開発に取り組もうとしましたが、会社は反対。
それからユージニオは会社を辞めて、すぐにMAGISを設立しました。


MAGISの特徴

・自社工場を持たない
社内では企画と開発のみを行っています。
自社工場を持っていないからこそ、工場の制約に縛られずに自由に商品開発にチャレンジすることができます。

・Made in Italyであること
メッキの加工が得意な中国の工場を使えばコストを抑えることができますが、Made in Italyにこだわりイタリアで加工しています。

・明確な方向性を持っているデザイナーとだけコラボすること
以下がコラボしているデザイナーの一部です。
・JASPER MORRISON / ジャスパー・モリソン
・KONSTANTIN GRCIC / コンスタンティン・グルチッチ
・RON ARAD / ロン・アラッド
・RONAN&ERWAN BOUROULLEC / ロナン&エルワン・ブルレック
・MARCEL WANDERS / マルセル・ワンダース
・深澤直人
・MARC NEWSON / マーク・ニューソン


MAGISが大事にしていること

・ファーストムーバーであること
『あつかうのは家具ではなくアイディア』という考えのもと、市場を新たに切り開くために試行錯誤し続けています。

2.日常の生活にこそ、本物のデザインを
日常使いできる価格を実現するために大量生産を前提につくられています。
デザイナーズチェアで最も低価格と言われているAir Chairはなんと19,000円......!


MAGISのテクノロジー
ユニークな技術を使っていることで有名なチェアのご紹介です。

Air Chair byジャスパー・モリソン
ポリプロピレンのフレームの中を空洞にして低価格、高強度、軽さを実現したチェア。
このチェアはSANAA設計のロレックス・ラーニング・センターに納入されています。大学時代の海外研修で行ったことがあったので、ご担当者の方の説明のスライドを見てハッとしました。今の知識を踏まえた上でもう一回行きたいなぁ。。

Chair One byコンスタンティン・グルチッチ
世界初のアルミダイキャスト一体成形のチェア。
開発していた当時は3Dプリンタがないので、紙模型で作成していました。
Chair Oneは特に外資系企業で人気だそうで、GoogleやAmazonのオフィスにも取り入れられています。

Officina Chair   byロナン&エルワン・ブルレック
アイアンの門から着想し、鍛造をフレームの素材として使用したチェア。

Steel Wood Chair  byロナン&エルワン・ブルレック
自動車に使われる部品から着想したチェア。


MAGISとコロナ

・素材
MAGISではプラスチックやアルミといった簡単に消毒ができる素材を使った製品を多く取り揃えています。
また、水だけで汚れが落ちる高い機能性をもったファブリック『アクアクリーン』や、ハイターや100%のアルコールを使用しても色落ちせずに殺菌できるファブリック『アゴラ』を張地に使用することができます。

・ソーシャルディスタンス
Chair Oneのベンチシリーズはチェアの間にテーブルを挟むことで、隣に座る人との距離感を保つことができます。また、設置した後からでもチェアとテーブルの位置を変更できるので、コロナ収束後に席数を増やすことも可能です。


MAGISの環境意識

グルチッチデザインの新作Bell Chairはサステナビリティがコンセプト。
素材は100%再生ポリプロピレンを使用し、原材料を最小限にすることで製造時のエネルギー消費を抑えています。
スタッキングもできて、価格も14,500円とAir Chairを下回る価格を実現しています。
この製品には、「環境活動を富裕層の道楽にせず、誰もが手に届く価格帯の商品を販売することで、気づいたら環境に貢献してた、といった世界をつくりたい」という思いが込められているそうです。


まとめ

MAGISの『日常の生活にこそ、本物のデザインを』という考えや、『気づいたら環境に貢献してた、といった世界をつくりたい』という思いにすごく共感しました。
ショールームに行く前から、ユニークで、1台置くだけで絵になるMAGISの家具は好きだったけど、もっとファンになったなぁ〜
自宅にも欲しいし、ギフトにぴったりな雑貨やオブジェもあるから、誰かにプレゼントしたいな。
今回みたいにブランドのフィロソフィーを理解することで、よりお客様のご要望や価値観に合った商品をご提案できるようになるはず。
noteにまとめたことで、より自分の中に落とし込めた気がします。
インテリアコーディネーターとして、自分の言葉でお客様にブランドや商品の価値を伝えられるようにすることが大事だと思うので、これからも続けていきたいです。


今回はここまで。
また残り2ブランド書きたいと思います。
ではではまた〜!

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