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思い出すのが嫌になって。

思い出すのが嫌になった。

色んなことがあった。

思いだしたくないから詳しくは言わない。

紙に書くといろんなことを考えてしまうから、音声認識を使ってそこまで思ったことを口に出している。

たった今思い浮かんだことをそのまま送り出している。

記憶、

それは美しいものであったはずなのに、

思考、

それは人生を豊かにするのであったはずなのに、

だめだ思い出したくない。

これ以上考えると、

言葉にすると、

またいろんなことを、

記憶を、

手繰ってしまう気がするから。


いろんなことを忘れることで、

またいろんな楽しいことに出会えるなら


忘れたいのだろうと思うけれど、

なぜか泣きたくなってしまう、

今ここの自分が泣きたくなってしまう。

覚えておきたいもの、

叶えたかったこと、

たくさんたくさん考えたこと、

それらが自分を苦しめたこと。


もしも、

もしも全ての記憶がなくなって、

どんな人と何をしても笑い合えて、

幸せに過ごせたなら。

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