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一級建築士製図試験_7《製図試験で使ったオススメの道具》

皆さんこんにちは。

昨年S資格長期クラスでチューターをつとめたYAP(やっぷ)がお送りします。

一級建築士試験勉強中の皆様、お疲れ様です。

GWに突入し、学科受験生もいよいよラストスパートへ突入するところだと思います。

製図試験過年度組もそろそろ本格的に本試験を意識してもう一段階ギアを上げて勉強を進めていく時期ではないでしょうか。

今回は、S資格製図試験長期クラスでの指導経験もある私がおすすめする製図試験道具についてお伝えします。

何事もカタチから。

たかが道具と思っている方も多いかと思いますが、実際道具を変えることで、エスキスの精度が高まる、作図が早くなる、ミスが減る等のプラス効果は非常に大きいです。

ただ、自分に合った道具を探すのは時間もかかります。

特に時間の無い短期生にとっては道具を試す余地などほぼありません。

道具を使いこなすのは過年度組のアドバンテージだと考えています。

そのアドバンテージを有効に使うも、使わないもあなたの判断次第です。

製図試験の道具は「作図で使うもの」「エスキスで使うもの」「時間管理に使うもの」等種類がたくさんありますが、私は様々な道具を購入し、実際に試してみました。

また、私は実際に使用していませんでしたが、受講生から教えてもらって良かった物も紹介していきたいと思います。

実際に購入して使ってみるのが一番ですが、試すのにもお金がかかります。是非この記事を読んで自分に合いそうな道具を探してみてください。

それでは行ってみましょう!

道具の紹介は下記の順番で説明していきます。

1.作図で使うもの
2.エスキスで使うもの
3.その他

※製品名の前に★が付いているものがYAPが実際に使っていた道具です。

1.作図で使うもの

最初に作図で使う道具についてご紹介していきます。

私の作図法については次の記事をご確認ください。

①ペン立て

めちゃくちゃ大事です。製図試験では作図中にデスクが綺麗かどうかで作図スピードが大きく変わります。

私が実際に使用していたのはデルデの自立式筆箱と100円均一セリアで購入できるバインダースタンドの組み合わせです。

筆箱がジャストサイズで納まり、後部には定規類もまとめて収納できるので、コンパクトに道具類を管理できました。

★サンスター文具 ペンケース デルデ ナチュラル ブルー 【評価☆☆☆☆】

セリアで購入したケースを使用した収納イメージ
セリアで購入した仕切りを使って定規類も収納

②三角定規

三角定規は様々なサイズを購入し、検討しました。

★方眼付きの15cm三角定規 【評価☆☆☆☆】

最終的に私が使用していたのは、方眼付きの15cm三角定規です。

方眼が付いているので平行定規を使わなくても用紙の方眼と重ねることで、グリッドから外れた線も素早く水平直角に線を描くことが出来ます。

私はウチダの三角定規にホームセンターで購入したつまみを付けて、より持ちやすくして、くるくる回しながら、細かい部分の作図を行っていました。

・45cm三角定規 【評価☆】

初年度の一番最初に購入したのですが、正直これは無駄な買い物でした。

個々人の作図方法にもよるのですが、大きすぎて邪魔になるのと、試験中の前後の席が狭すぎると使えないという欠点がありました。

私は補助線を引く工程も省略していたのであまり困らなかったですが、補助線を引く人にとっては一度で引けるので便利なアイテムでもあります。

これはあくまでも個人の判断になりますが、過年度生でもう一度勉強をし直す人は作図練習もたくさんできるので、補助線無しで作図する練習をした方が圧倒的に作図は早くなると思います。

荷物も減るので一石二鳥です。

製図試験はただでさえ荷物が多くなるのでなるべく荷物を減らす事も日々の学習を効率化する事に繋がります。

・ツマミ付三角定規。【評価☆】

サイズが絶妙に大きく使いづらいです。やっぱり小回り良く使いたい場合は15cmが限界です。

また、付属のツマミも小さいため、そもそも持ちにくいという難点もありました。

結構探しましたが、ツマミ付きで良いサイズの三角定規が無く、自作する結論に至りました。

★バンコ 【評価☆☆☆☆☆】

付属の持ち手も持ちやすく、サイズも1平面に対しての長い線を引くのにはちょうど良い大きさです。

私は寸法線、延焼ライン、平面での長い線を描くときはバンコを使っていました。

テンプレートも付いており、厚みもあるため、柱をバンコで書く人も多くいます。

使いやすく多用途に使えるので必須のアイテムだと思います。

③テンプレート

★ウチダ テンプレート 建築士・受験者用定規  【評価☆☆☆】

直径5cm(1/200で10m)の円まで書けるテンプレートとして使用していました。

4cm、3cmもついていますが、0.5刻みの円までは無いので、7m円や9m円が要求された場合は一つ大きい円が入ればそれで書く、もしくはコンパスで書いていました。

フリーハンドで円を書くのは間違いのもとですし、作図の印象も悪くなるのでやめましょう。

★総合資格 テンプレート【評価☆☆☆☆☆】

色々なテンプレートを試しましたが、サイズ、素材の面で一番使いやすかったのがこれです。

私は主に柱を書くときはこれを使っていました。

また、試験中の出番は柱くらいですが、作図トレーニングをするときはこのテンプレートとノートだけを使って作図していました。

会社の昼休みにこれだけあれば断面は10分以内で書けるようになります。

・ドラパス テンプレート 円定規 (超特大) 【評価 ☆☆☆☆】

なんと円のサイズパターンは45・50・55・60・65・70・75・80・85・90・95。

5mm刻みでこれだけパターンがあるので10m以上の円要求があっても十分対策可能です。

私は実際に使っていませんでしたが、昨年長期クラスチューターをしていた時に1人の受講生が購入し、気付けばクラスの全員が持っていました。

受験生の円要求への不安と備えあれば憂なしを感じた瞬間でした。

④シャープペンシル

シャーペンの選択は図面の濃淡に影響を与えます。

私は様々な用途に分けてシャーペンを使っていました。

【図面の濃さについての基礎知識】
図面は全体的に濃いほうが印象が良いです。

それでは図面の濃さは何で表現するか。

A.筆圧

個人差が出てしまいます。強く力を入れれば濃く書けるが、コントロールが難しいです。

B.シャーペンの芯の硬さ

HB × B or 2Bとすると良いです。

C.シャーペンの芯の太さ

0.5~0.9を選ぶ。太いほうが濃くなります。

D.シャーペンの種類

製図用と文字用で種類を変えたり、製図用の中でも重心が指先に近いシャーペンのほうがコントロールしやすくなります。

★ロットリング シャープペンシル ロットリング600 0.7mm シルバー
【評価 ☆☆☆☆☆】
ステッドラー シャープ替芯 マイクロカーボン 0.7mm 2B

柱と外壁を書くのに使っていました。

とにかく濃く書けるので、躯体がくっきり見えます。

また、最初に書く線なので、どうしても擦れて線が薄くなってしまいます。

このペンで書けば十分濃いので、その心配もありません。

ステッドラーのシャーペンの芯は粉が出にくいので、図面を汚すことも防止できます。

シャーペン自体も持ち手に重心があるので、筆圧が薄い人も濃く書くことが出来ます。

また、何といってもデザインがかっこいいです。

★ロットリング メカニカルペンシル 600 0.5mm
【評価 ☆☆☆☆☆】
三菱鉛筆 シャープペン芯 ハイユニ 0.5 2B

内壁と外構等までをこのペンで書いていました。

0.7mmとぱっと見で見分けられるようにブラックを選択しました。

ハイユニの芯はとにかく折れにくいので、作図に向いています。

外壁ほど濃くなくて良いですが、ここも濃く書きたいので、2Bを選択しています。

★ぺんてる シャープペン スマッシュ 0.5mm ブラック
【評価 ☆☆☆☆☆】
三菱鉛筆 uni ナノダイヤ シャープ替芯 0.5mm B

文字や家具を書くのに使っていました。

今までの2本に比べると薄くなるので、メリハリをつけることが可能です。

シャーペンの持ち手が持ちやすいのと、芯を出すスプリングの部分のデザインがお気に入りの1本です。

このペンで記述についても書いていました。

上記の3本を使い分けることで作図と記述を記載していました。

かなり多くのシャーペンを試しましたが、この組み合わせが個人的には一番お勧めです。

以上のシャーペンを使用して作図したのがこの図面。
メリハリがあって見やすい図面が描けると思います。

・三菱鉛筆 シャープペン クルトガ アドバンス 0.5 【評価 ☆☆☆】

字のきれいさに自信がない人はクルトガをお勧めします。

文字を奇麗に書くことが出来ます。

ただし、このペンで図面を書くことには向いていない為、シャーペンの本数が増えてしまうという欠点があります。

⑤フローティングディスク


★ドラパス フローティングディスク 13-900【評価 ☆☆☆】

図面の擦れによる汚れを防止するために、定規等を浮かせることが出来るディスク。

作図を繰り返すうちにはがれてしまうこともあり、なかなか難しい道具ですが、有る無しで図面の汚れ具合も大きく変わるため、必須の道具だと思います。

★Creve Cell 封かんシール 封印シール 円型 丸型 透明
【評価 ☆☆☆】

ディスクを貼ったままだと、段差が出来てしまうため、さらに上から保護的に貼るシール。

これも剝がれやすく、作図中にも剥がれることがあるのが難点。

⑥コンパス

★ステッドラー コンパス 製図用 中型 マルス 【評価 ☆】

何が出題されるかわからない為、一応購入して持っていたが、実習含め1度も使用することはなかった。

テンプレートで〇をカバーできていれば100均のコンパスで十分です。

⑦消しゴム

★トンボ鉛筆 消しゴム モノダストキャッチ 【評価 ☆☆】

消しクズがまとまり、さらに本体にくっつくので周りを汚しにくい!

消しゴムは使わないに越したことがないのですが、使う場合も消しカスで机の上が汚れないことが一番大切です。

★トンボ鉛筆 消しゴム MONO モノゼロメタル 角型 ブラック EH-KUMS11
【評価 ☆☆☆】

細かい部分を消せる細いペン先の消しゴム。これ一本あれば細かい部分の修正は字消板なしで可能です。

作図時間短縮のためには字消板は使えません。

⑧マスキングテープ

★カモ井加工紙 マスキングテープ mt 10色セット 15mm幅×10m巻き 
【評価 ☆☆】

図面を製図版に止めるためのマスキングテープ。

ここまでの量は短期間の製図試験勉強の中で消費することはできませんが、私は毎日の作図の気分を変えるために色を変えていました。

また、カバンの中に常に複数個入れておくことで忘れることもありません。

講義ではマスキングテープを忘れた受講生に貸すことでコミュニケーションが取れるかもしれません!?

⑨製図版

★ステッドラー 平行定規 A2 マルスライナー 960 A2 【評価 ☆☆☆☆】

製図版で意識したいのは軽さ。毎日持ち運ぶものなのでなるべく軽く、操作性も簡単なものを探すことがお勧めです。

私はプラスで収納ケースのカッコいいステッドラーを愛用していました。

2.エスキスで使うもの

次にエスキスで使用する道具について紹介していきます。

私のエスキスでの課題文の読み方については次の記事をご確認ください。

①シャープペンシル

エスキスではシャーペンで行うか、フリクションで行うかの2択で悩まれる方も少なくないと思います。

講師によってシャーペンを推奨する人もいれば、フリクションを推奨する人もいます。

私は初年度がフリクション、2年目がシャーペンでエスキスをしていました。

どちらが良いということはないと思います。私も講師の勧めで変えただけでこだわりはありませんでした。

個人的に感じるそれぞれのメリットとしては、【フリクション=綺麗に書ける】【シャーペン=筆圧でメリハリを付けて書ける】ということです。

自分に合った道具を選択することが大切だと思います。

②三角スケール

★ステッドラー 定規 三角スケール アルミ 15cm&30cm 
【評価 ☆☆☆】

三角スケールも自分の好みに合ったものを選択することが大切です。

ただし、15cmと30cmの2本持つことは必須です。

15cmはエスキスの序盤で、30cmは1/400などのエスキスの終盤で活用します。

★シンワ測定(Shinwa Sokutei) 三角スケール C-15 15cm 縮小コピー用 
【評価 ☆☆☆】

この三角スケールはエスキス時に使用するのではなく、過去問学習用に使用していました。

過去問の解答例は廊下幅員等が明記されておらず、わからない箇所が多々あります。

また、A2サイズでのスケールで書かれた図面を一般的にはA3やA4で印刷して確認するため、スケールが合いません。

その時に活躍するのが、この三角スケールです。

なかなか初年度の受験生は過去問勉強まで手が回らないと思いますが、過年度生には必須のアイテムだと思います。

③電卓

・アスカ 電卓 計算式表示電卓 ()計算可 C1242BK ブラック 【評価 ☆☆】

昨年のチューター経験でも一番多くの受講生が使用していたのがこの電卓。
計算式が表示されるため、打ち間違えの防止になります。

私はどうしてもボタンの押し心地が悪く、うまく打てないことが多かったため、本試験では電卓故障用のリザーブとして持っていました。

★無印良品 電卓 12桁 黒 幅108×奥行173×厚さ12mm 【評価 ☆☆☆☆】

私が愛用していたのは無印良品の電卓。

ボタンが大きく、確実に押すことが出来るので、打ち間違え等はほぼなく、スピーディーに面積計算を行うことが出来ました。

④色鉛筆

★トンボ鉛筆 ippo! 丸つけ用赤青えんぴつ 【評価 ☆☆☆】

課題文の最初の読み取り時に重要な部分に赤と青で色分けしてマークする時に使っていました。

1本で2色なので道具を減らせるのと、塗り分けをスムーズに行える点が非常に便利です。

⑤赤ペン

★ぺんてる パック入り水性ペン サインペン 赤インキ 【評価 ☆☆】 

読み取りの最重要部分や、エスキスでの強調部分(柱無し、PC梁を支える柱等)のマークに使用していました。

断面切断部分についても1/400の最後に赤マーカーでハッキリと記載すると間違えることがありません。

1/400での赤ペン使用例

⑥マーカーペン

★コクヨ 2色蛍光マーカー ビートルティップ・デュアルカラー 3本 6色 【評価 ☆☆☆☆】

多くの方が使用しているのがフリクションですが、私は道具を減らすこと、持ち替えの時間を減らすことを大切にこの道具を使っていました。

もちろん消すことは出来ません。

私は作図時にも共通して極力消さないことを大切にしていたので、問題にはなりませんでした。

3.その他

①タイマー

★Canon キッチンタイマー 【評価 ☆☆☆☆】

※残念ながら現在廃盤になってしまったようです。。。

このタイマーの良さはコンパクトなサイズとサイレントタイマー。
試験中は音の出る機器の持ち込みが不可の為、サイレントタイマーは重要です。

現在代替品として販売されているのがこちらの商品のようです。サイズは少し大きくなりますが、その分モニターが見やすいという利点もあるかと思います。

②ウェットティッシュ

ウェットティッシュは日々の道具のメンテに役立ちます。
特に製図版や定規といった作図に使用する道具は鉛筆の粉で汚れてしまします。

そのままにしてしまうと、次作図する時に作図用紙がすぐに汚くなってしまうので、注意が必要です。

③方眼付箋

★ポスト・イット 付箋 ノート 方眼入り 【評価 ☆☆☆】

作図パーツの暗記用に役立つアイテムです。

方眼付箋の使い方事例。私はトイレの扉に貼っていました。

いかがだったでしょうか。
少しでも道具選びの参考になっていただけると幸いです。

これからも随時お勧めの道具があれば記事を更新していきたいと思います。

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