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娘が結婚する時には、ゼクシィ?

孫と遊びながら、そばにいる娘と、なんでもない会話をする。

そんな時に、ふと、娘の夫が結婚の挨拶に来た時のことを思い出した。

もうすでに、何回も一緒に食事をしたり、我が家にも来訪していた彼だったので、とりたてて、言うこともなく。

彼の隣で、嬉しそうにしている娘の表情を見て、もうこれで十分やなと。

少々緊張気味の彼の様子も、ほんまにドラマみたいで、こういうもんなんかと思いながら見ていた。

でも、親としては、ちょっと物足りない。
あまりにもあっさりし過ぎちゃうか?
なんか、言いたいよなあ。

かといって、幸せそうな二人にケチをつけるところもないし。

でもなあ。
せっかくのドラマ設定なんやから、なんか言いたいよなあ。


そこで、思い切って、

「あっさりと話が進むんじゃ面白くないから、一回くらいは、結婚に反対しようかなあって、思っててん。」

と、言ってみた。

大切な娘の巣立ち。
これまでの役割を終える寂しさからの、ちょっとした抵抗や。


すると、娘の夫となるその彼は、すかさず、

「はい。大丈夫です。もし反対された時には、どうしたらいいかを、ゼクシィで読んできましたから。」

と、すらすらと答えた。

なに?
ゼクシィとな?

ゼクシィとは、そんなことも記事にしているのか。

そして、それを、そのまま活用しようとしているのか。
ゼクシィって、攻略本なんか?

ひえ~~。
攻略本って、ゲームの時に使うもんやと思ってたわ。
結婚にも使うんや~~
思いもつかへんかった。
これって、個人の感覚というよりは、世代の感覚の違いやろか。


ふふふふ。
あの時は、驚いたなあ。

でも、そんな面白エピソードは、どうでもよかってん。
(あとから、私の友達との会話の、テッパンネタにさせてもらえたから、むしろありがたかったかも。)


二人のこれからを楽しみにしようって思ったのは、もっと前のことやったから。

娘が彼を誘い、初めて一緒に食事をした時のこと。
私は、髪の毛が、ほぼ抜けてしまったころで、帽子をかぶってはいても、病人感がっつりで、禿げ感もあらわ。
そんな時に、急に、娘が、焼肉屋さんに彼を呼び出したのだ。

心の準備どころか、髪の毛の準備も整わない私。
夫にすら、
「ちょっと、その帽子のかぶり方、禿げ感が出てるで。」
と、注意を受けていたくらいやのに。

そんな状態の私を、まったく気にせず、彼を食事に誘う娘。
そして、やってきた彼も、なんら気を遣うことなく、普通に食事をしている。
目線が一瞬泳ぐとか、目をそらすとか、そんなことは、一回もなく。


今から思えば、私の姿なんて、目に入らないくらい、緊張してたんかもしれんけど。
ただの、鈍感なだけやったんかもしれんけど。

でも、二人の、そのフラットさが、よかってんな。
ゼクシィにも負けへんくらい、私には、説得力があったわ。
この二人やったら、なんかいい感じでやっていけるんとちゃうかなあって。

そうやった。そうやった。


これからも、一緒にご飯を食べることを楽しみにできる、そんな二人でいて欲しいなあ。
一緒にご飯を食べることを大事にするって、そこそこ意識せんとできへんからなあ。
働き盛りで、忙しいと、なおさらや。
一緒に、美味しいものをいっぱい食べてな。

おっと、我が家は、どうや?
あれ。
昨日も別々の夕食タイムやったけど、違和感ゼロやったわ。
やばい。



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