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ホメラレモセズクニモサレズ

3月である。
お雛さんである。
そして、それは昨日であった。
お雛さんが終わると、急に年度末感が出てくる。

そんな時、友達からラインが届いた。

友達の職場で、新年度の人事が発表され、ちょっと苦しい状況が予想されるらしい。

あるよなあ。
そういうこと。

とはいえ、やるしかなくて。

そんな状況がわかった友達は、

ホメラレモセズクニモサレズ

の気持ちでいきたいと言っていた。

気配を消して、
ニュートラルの状態を保っていたいと。


彼女が気配を消すことは、かなり難しいとは思うけど。

その昔、一緒に電車通学をしていた頃、
たびたび何かしら爆笑エピソードをもたらしていた人やったから。

途中の駅から乗ってくるおじさんを見て、
「うわっ。今日もハイホー乗ってきたな。」
と、おじさんの動向を見ている。
その行動に別に特徴的なことはないんやけど、
おじさんがどの座席を狙っているのかなど、
おじさんの心の声を、友達の実際の声で表現してくれたりする。

「鏡を片付けだしたこの女子。次の駅で降りるんやな。
それやったら、この女子の前で待っとこか。
えっ?
降りへんのかい。
じゃあ、なんで鏡を片付けてん。
どうしてくれるねん。
まだ立ってなあかんやん。
隣の隣が空いたわ。あっちに立っとけばよかった。
うわ~。鏡に騙されたわ。」
などなど。

当のおじさんは、普通に前方を見ながら手すりにつかまって揺られているだけ。

でも、友達の迫真の吹き替え術が、本当にそんなことを思っていそうに感じさせてくる。
電車通学を毎回盛り上げてくれるそんな友達である。
気配を消すのは、まあ無理やろ。

ちなみに、そのおじさんを「ハイホー」と呼ぶようになったのは、もちろんその友達だが、ディズニーの「白雪姫」に出てくる小人のひとり「おこりんぼう」にそっくりだったというのが理由である。
確かにかなり似ていたが、実直そうなそのハイホー、もといおじさんは、いたって真面目な働き手だったと思われる。


あっ。
ホメラレモセズクニモサレズ
の話やった。


確かに。
ホメラレヨウトする気持ちが少しでもあると、
人の目を気にするし、
人におもねてしまうし、
自分を曲げてしまうこともでてきてしまう。

組織の中で仕事をしていると、そういうことから逃れるのはなかなか難しい。


でも、結局は、自分が納得できてないと、もう嫌やねんなあ。

ホメラレテ自分を曲げるよりも
ホメラレモセズに思った通りに行動する方が
楽しい。

そういうことを素直に思えるようになるには、私は、今の年齢になるまで時間を要してしまったけど。

かっ、かかりすぎ。


あとは、クニモサレズ。

これは、もっと難しい。
今の年齢になっても、難しい。

クニサレテイルノカ サレテイナイノカ


それは、自分ではわかりにくいからなあ。
めっちゃ、されてたりして・・・。


でも、
ソウイウモノニワタシハナリタイ
と、わたしも、賢治を思いながら目指してみるか。


新しい人事の元で、その友達が気配を消すことに成功できますように。

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