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「500%、運命なんで」


「平成ど真ん中だわ!!」

というセリフを聞いた瞬間、というかもう最初から、これは伊藤沙莉ちゃんじゃないとダメだし、どんな若手女優さんでも当てはまらない、沙莉ちゃん以外の女優さんがこの葉ちゃんの役演じているとこなんて想像できないyo!!!と思った。(これはパンフレットを読んで色々納得。)

そして、心がやられる、なんてノベライズを読んだ時は書いたけど、全然やられなかったし、むしろ清々しい気持ちになって、未来がちょっと楽しみになったりした。

以下ちょいネタバレかも。



「ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ」

って言ったのに。

「なんでも思ったことすぐに口にだすとこも好き」

って言ってくれてたのに。

肝心な時、思ってることをちゃんと言ってくれないし、思ったことを口に出せば苛立たせてしまって、それにまた苛立っちゃって。

そんなとこも好きだったし、こんなとこも好きでいてくれたはずなのに。

2人は言わなくてもわかるじゃん!タイプの男の子と、言わなきゃわからないでしょ!タイプの女の子。

出会って何かが噛み合って惹かれあって付き合って。

幸せな時間はたくさんたくさんあったはずなのに、困難が訪れた時、お互いの好きだと思っていたその性格が、短所になってしまった。

好きで好きで好きで、未来の小さな約束もしていたのに、2人の人生はすれ違ってしまう。

あと一言二言あれば、意地を張らなければ、再び2人の人生が交差したかもしれないのに。

ラスト、2人でダンスをして、それが舞台上で踊ってるシーンに切り替わる瞬間があるのだけど、それが「こんな未来もあったのかもな」ということを思い起こさせた。

2時間、2人の物語を観てきて、ずっと微笑ましくて切なくて、徐々に溜められてきた思いがそのシーンで一気に込み上げてきて、涙が溢れた。

私もいつか、映画を字幕で観る機会が減って、そのかわり子どもと吹替えアニメを観て、その子の頭を撫でながら、幸せを感じる日がやってくるのだろうか。

やってきたとしたら、そんな日々の中で、あんな時もあったなーってちょっと思い出して、懐かしくなって切なくなって、違う未来もあったのかもねなんて、心がちょっと痒くなるような日がくるのかもしれない。

そうやって、思い返すことのできる、楽しくも切ない過去を持っているということがなんだか嬉しくなって、なぜか私は未来がちょっと楽しみになった。

そして、合間で入る尾崎世界観さんの歌声が、映像に綺麗に溶け込んでいて、歌詞もビシビシ刺さってきて痺れた。

クリープハイプってやっぱり最高だし、音楽が映像にもたらす力ってすごい。

「なんとも言えない切なさ、私が持ち合わせている言葉では表せない何かを映像化しているのだろうなーと思うと、とてもとても観たくなった。」って、ノベライズを読んだときに書いたけど、ほんとにそうだったし、観てよかったな。



恋愛だけではなく、学生生活でも。

二度と戻っては来ない日々に思いを馳せて、「ちょっと思い出しただけ」とまた今日という新しい日を生きていっている全ての人たちに観てほしい。

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