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「100本のスプーンの文化を築いていく」田村店長の目指す航路

クールなのかと思いきやダジャレを飛ばしたり鼻歌を歌ったり。順調にキャリアを築く最中に突然、心の赴く方にいってみたり。なんだか読めない気になる存在、田村さんに実はアツい胸の内を聞いてみました。

田村 昇平(Shohei Tamura)
鳥取県出身。人と違ったことを求め学生時代はフェンシングに打ち込む。その後デザイン系の専門学校へ進学するもアルバイトで携わった接客業から飲食の世界へ。関西を中心に全国展開する飲食店で店長、マネージャー、新店立ち上げなどに携わったのちスープストックトーキョーへ転職。スープストック店舗にて店長を経験したあと、100本のスプーンへ。「あざみ野ガーデンズ」店長。(2023年8月現在)


評価されていることの疑問からの転職活動

ー前職の全国展開の飲食店では順調なステップのように思えますがなぜスープストックトーキョーへ?

前職の会社では店長もマネージャーも経験したし、新店の立ち上げに新業態の開発、それに伴った展開とか色々な経験をさせてもらってましたね。ちょうど人材不足もあってやらざるを得ない場面もあったんですけど、どんどんいろんなことをさせてもらえて、評価もしてもらっていたと思います。

そんななか、携わっていた事業が一段落したタイミングでやりきった感を感じてしまったんですよね。ちょうど30歳を迎えるところでキリもよかったし、今いる会社では評価してもらってはいるけど他だとどう評価されるんだろう…と自分を試してみたい気持ちもあって、飲食中心に転職活動をはじめました。

カフェやレストラン業態でいくつか他社で内定をいただき、最後に受けていたのがスープストックトーキョーで。給与や役職など条件面ではなく、楽しそうだなと心が動いたことが決め手でした。

ー面接をしていくなかで楽しそうだなと?

当時副社長だった江澤さんと最終面接をして、他の企業よりラフさを感じたというか。会話を交わしていくなかでいちばん人らしい会社だと思いました。温かみを感じた印象です。

休みの日は何してるの?とか、やりたいことある?みたいな感じでフランクに会話をして。その中で飲食以外のメガネとかシューズリペアの専門店も面白そう、みたいな話をしましたね。これまでの飲食の経験があるから飲食中心に転職活動をしていたんですけど、そもそも他を見てみたいという気持ちからの転職活動だったので、飲食にすごくこだわりがあるわけでもなかった。スマイルズ・スープストックトーキョーだと飲食以外も業態がさまざまある分、会社としての魅力を感じました。

くすぶっていた!?入社当初

ー入社してからはスープストック店舗に配属、店長を経験し、それから100本のスプーンへ。

入社して3年ほど経った頃に当時100本のスプーンの事業部長だった宮川さんに「飲食での経験あるけどスープストックでくすぶってる人はいないか」みたいな感じで突然声かけられて。

ーくすぶってたんですか?(笑)

くすぶってたつもりはないんですけどね(笑)前職では店長職以外のしごともしていたなか、スープストックではしばらく店舗の店長業務に従事していたこともあり、話を聞くことになりました。
スープストックはパートナー(アルバイトスタッフ)含め企業理念が浸透している分、ブランドとしての人格も確立されつつある。比べて100本のスプーンはまだ歴史が浅く規模も小さいこともあり、売上や企画に関してもまだやれるところがありそうだなと。

だから異動するからには人材やツールを整えたりと健康的な土台づくりに加えて100本のスプーンの文化を作っていきたいなと。そんな話をして異動しました。

100本のスプーンの文化をつくっていきたい

ーあざみ野の店長になってからはかき氷企画を立てたりクリスマス企画の運営などまさに文化づくりに貢献していますよね。

親子で夏を楽しんでほしいという思いから始まったあざみ野店限定のかき氷企画。親子で食べられるようにフルサイズ・ハーフサイズのかき氷を用意。

クリスマス企画に関しては僕はサポートとしてオペレーション構築と現場への落とし込みをする担当だったんですけど、やっぱり例年やっていてもスケジュールどおりにはいかないなあと。デモンストレーションして修正してまた新たな問題が出てきて、クリアして現場に落とし込んで…と進行の難しさを感じました。

でも予約の段階から、「毎年参加していて、今年も楽しみにしています!」という声をがあり、お子さんが小さいころからイベントともに成長を重ねているのを感じました。100本のスプーンならではの文化が築けているなと。演出のナレーションに聞き入っているお子さんの姿や楽しそうに食事するご家族の姿を見ると、やっぱりやってよかったと思いました。企画の当事者として携わった分、描いていたシーンが実現すると素直に嬉しかったです。

田村さんはじめあざみ野店チームが中心となって進めた2022年のクリスマス企画。たくさんの家族の楽しい時間を築いた。

青レンジャーの船長が目指す船路

ー現場へのオペレーションの落とし込みに加えて、社員・パートナーさん含めみんなの気持ちを乗せていくのは難しくなかったですか?

それでいうと、スープストックトーキョー時代の経験が活きていたかなと。CST(カレーストックトーキョー)というイベントが一大イベントなんですが、当時大崎店の店長になってすぐにイベントがあって。そこでわかりやすい目標をつくって当日に向けて準備していきました。明確な売上目標もそうだし、一年で一番盛り上がる日にしたい、という想いをパートナーさん含めてみんなに伝えてその日までに気持ちを作ってもらって。当日は僕自身かなりハイになっていてダジャレを飛ばしまくったりと変なテンションでしたが、その空気感を楽しんでくれてました。結果、その当時の最高日商を達成することができ、チームでの達成感はかなりありました。

そのときの経験を活かして、100本のスプーンのクリスマス企画でもデモの段階から現場のみんなに意見をもらいながら作り上げることができたのかなと。

ー他ブランドで取り組みは違っても、「世の中の体温をあげる」という根底は一緒ですもんね。田村さんは店長として何を大事にしていますか?

僕が店長をやるからには「夢や希望」を恥ずかしがらずにちゃんと伝えていくっていうのが大事だと考えています。

漫画「ワンピース」でいえばサウザンド・サニー号がいまどこに向かっているのか語り、みんなの気持ちを乗せる。それが店長のしごとだと考えています。そうじゃないとみんなが船路に迷ってしまうから。だからあざみ野で今度実施予定の縁日の企画も、僕自身がやりたいというより、お店の向かう方向が「家族に楽しんでもらえる場所」だから、それに必要なこととしてやっています。

日常とはちょっと違ったイベントを行うことでお客さまにもスタッフにも楽しんでもらって、それを日々の営業にも還元する、っていうサイクルを作りたい。

とはいっても、実は先頭に立つのは苦手なタイプなんですけどね。だからまずは企画を立てたらパートナーさんから意見をもらうようにしています。アイデアを出してくれたり、「でっかいプール家から持ってこようか?」なんて言ってくれる人もいて。

そんな話をしているうちに、日々の営業のなかでも常連さんからのご意見を伝えてくれたり、お店に対しての意見を言ってくれたりしてくれるような可関係になっています。ときには耳の痛いこともあるんですけど、それをちゃんと意見してくれるのも「聞いてくれる」って思ってくれてるからこそ。

本棚の位置も常連のお客さまのご意見で変更。デシャップ台の目隠しにもなり、出入りもしやすくなった。

とはいっても、いつもパートナーさんからの情報や意見を引き出してくれる副店長はじめ他のメンバーのちからも大きく、チームのみんながいてくれるからこそです。

戦隊ものでいうと赤レンジャータイプではなくて青レンジャータイプ。だからヴィジョンは示して、チームのみんなからどんどんアイデアが出てくる環境を作る。それをどうやったら実現してあげられるかを考えてサポートする立場でありたいです。

ー田村号の航路が楽しみです!


カメラマン:井上 拓磨(Takuma Inoue)
100本のスプーンあざみ野店のキッチンスタッフとして勤務しながら、SNSを中心にカメラマンとしても活動。バスケットやバレーボールなど趣味多数。

インタビュアー:本間菜津樹(Natsuki Honma)
沖縄県出身。大学卒業後、アパレルEC運営会社にて出店ブランドのサポート業務等に従事。その後地元の出版・印刷を行う会社に転職し、ものづくりに関わるうちにその楽しさを実感。自身でも文章を書くように。出産・子育てをするなかで親子の場づくりがしたいという思いが芽生え、100本のスプーンへ。現在は東京都現代美術館の二階のサンドイッチ勤務。

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