真の働き方改革とは、自己決定権をもつことだと思う|社員教育も育児も教育も
所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる。そんな結果が2万人を対象にした調査によって出ています。(2018年実施)
私が会社を作った約9年前、私自身の幸せのため、そしてみんなの幸せのため、「自己決定権」を中心に組織を構成しようと考えていました。この「自己決定権」とはどんなものか、実例を元にご紹介します。(メイン画像がふざけている割にマジメな話です・・笑)
■自分で決める権利「自己決定権」
「自己決定権」とは?
進学したい学校を自分で選ぶ権利
就職先を自分の意志で選ぶ権利
今日食べたいものを自分で選ぶ権利
今日着たい服を自分で選ぶ権利 など
私たちは当然のように毎日この権利を行使しているわけです。しかし、「仕事」においての自己決定権はどうでしょうか。
働く時間
給料の額
有給休暇の取得
休みたい日を変更する
希望の部署で働く など
まだ「仕事」においては「自己決定権」が少ない会社が多いのかもしれません。しかし、「仕事」において自己決定権を導入するのは難しいのでしょうか。
■佰食屋が8年間で15個も受賞したきっかけが「自己決定権」
私たちの飲食店「佰食屋(ひゃくしょくや)」では、創業時から「自己決定権」を最も大切にしてきました。
★佰食屋の代表的な自己決定権★
1.勤務時間と基本給を自分で選べる
出勤時間は9時もしくは9時30分。退勤時間は15時~17時45分までの間で15分刻みに設定可能。それぞれの組み合わせに相応した基本給まで全て明示された上で決めることができます。いつでも何度でも変更可能。
2.有給休暇取得に上司の許可は不要
休みたい日が決まれば、LINEグループに「〇月〇日~〇日まで休みます」と通知&所定の用紙に記入して申請ポストに投函したら、100%休みが確定(理由も不要)。毎月の給与明細に「有給休暇残り〇日」と記載しているので分かりやすく計画的に使える。
でも、なんでそんなに自由に休めるの?という質問をよく頂きます。その理由は下記2つ。
①必要最低限より1~2人多く採用している。
→シフトが組みやすいだけでなく、たまに人数が多い日を作ることで余白を残し、普段手が回らない掃除や買い出し、新しいことを覚える等の余裕が生まれる。
②毎日5人出勤、でもどうしても4人しか出勤出来ない時は、100食じゃなくて80食で完売してOK。
→5人揃えられなかったのは会社の責任なので、20食分は福利厚生費として会社が負担。4人で100食のままだと皆から不満が出て、次から休みにくくなる。それを防ぐために会社が負担するのが最も合理的。
これらの制度を飲食業で創業時の8年半前から実施していたことが評価され、様々な賞を受賞するに至りました。
■受賞歴
①平成27年度京都市真の「 ワーク・ライフ・バランス」推進企業の特別賞
②第4回京都女性起業家賞の京都府知事賞(最優秀賞)
③第3回LED関西ファイナリスト
④第4回京信・地域の起業家大賞最優秀賞
⑤第6回DBJ女性新ビジネスプランコンテストファイナリスト
⑥地域未来牽引企業に選定
⑦JVA2018ワークライフバランス推進特別賞
⑧新・ダイバーシティ経営企業100選
⑨はばたく中小企業・小規模事業者300社 2018
⑩第32回人間力大賞 農林水産大臣奨励賞
⑪日経ウーマン ウーマンオブザイヤー2019大賞
⑫ForbesJAPANウーマンアワード2018 新規ビジネス賞受賞
⑬関西財界セミナー2019 輝く女性賞受賞
⑭WIRED Audi INNOVATION AWARD2019
⑮読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 イノベーション部門1位
■「自己決定権」は「究極の社員教育」である
自己決定権を仕事に導入すると、従業員に変化が出始めます。自分で様々なことを決められる、つまり裁量権が大きいということ。すると、「働かされている」という感覚ではなく、「自分で選んで働いている」という感覚になっていきます。
実は佰食屋の正社員は、全員「ハローワーク」でしか採用しません。
面接の時には目も合わせられず、緊張しすぎて質疑応答にほとんど答えられず、面接時間に遅刻し履歴書を忘れてきた(笑)そんな彼らも、この「自己決定権」のある働き方をすることで、自信をつけ、自己肯定感が上がり、あっという間に「佰食屋の従業員の方はどこで引き抜いてこられたのですか?」と質問されるほど優秀になってくれています。
佰食屋には朝礼も終礼も会議もありません。
全員が自分の決めた時間に出勤し、自分の決めた時間に帰宅します。全員が自己決定権のもとで、意識高く働いてくれているのです。
まかないでマグロ丼定食を食べようとしている佰食屋の従業員たちの図。まかないも自由。美味しそう・・。
■育児も教育にも「自己決定権」
それでは、この自己決定権を子育てや教育で導入したらどういう効果があるのだろうか。そう思い、6歳長女と5歳長男の2人の子育てでは「自己決定権」を最も大切にしながら育ててきました。
その中で、効果覿面!なエピソードを。
長男(現在5歳)は生まれつき脳性麻痺で右半身が少し不随のため、オムツ外しにとても時間がかかっていました。4歳になった時に主治医の先生に相談もしましたが、オムツ外れが多少遅くなっても問題ないでしょう、とのことでしたので、あとは本人の意思に任せることに。4歳の時に、本人に聞いてみました。
私「いつからオムツじゃなくてトイレでする?」
長男「5歳の誕生日からにする!」
本人がそう言ったので、それを信じ、誕生日を待つことに。オムツ交換(大)を誰がするのか、いつもジャンケンで決めていたの図。笑
誕生日の1か月前から、皆でカウントダウンを始めていました。
「パンツまであと〇日~!」と言いながら。笑
ただ、トイレの練習をするのも嫌がり続けていたので、本当に5歳にトイレに行けるのだろうか・・・と一抹の不安を抱えていました。。
そして誕生日当日。
「今日からトイレで出来るかな?」と恐る恐る聞いてみると・・
そう言って、普通にトイレでサクっと済ませて出てきた人。マジかよ・・・練習無しで出来るのかよ・・・(心の声↓)
自分が決めたことだから。こんなに小さな子どもでも、自分で決めたことを守り、それを守ることを誇りに感じ、自信をつけていく。まさにその姿を目の当たりにしたのです。
育児でも教育でも、この「自己決定権」を取り入れることで、自己肯定感を高めたり自信を付けたりすることができるのかもしれない。
「頑張れ」なんて言われなくったって、「自分で頑張りたい」と思える環境を作る方が、心の炎は燃えるのではないでしょうか。
■真の働き方改革とは、「自己決定権」がある働き方だと思う
ここ数年で「働き方改革の推進!」とよく言われていますが、残業を減らす・労働時間を減らす・有給休暇を取得する、といった対策をよく耳にします。しかし。
私が思う「真の働き方改革」とは、
従業員が「自己決定権」をもつ
働き方にすることだと思います。
「自己決定権」は「究極の社員教育・育児・教育」になるかもしれない。
導入しない訳にはいかないですよね?^^
★
真の働き方改革とは、
自己決定権をもつことだと思う
|社員教育も育児も教育も|
でした!
★
株式会社minitts
代表取締役 中村朱美
★
Thanks!!
★
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?