見出し画像

中小企業のための、コストをかけないDX。

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は聞くものの、何をすればいいのか分からない、小さな会社にはコストがかかるから無理だとお考えの方も多いのではないでしょうか。

■DXとは:経済産業省による定義

経済産業省は「DX推進ガイドライン」において、DXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

これまでも、IT化IoT(アイオーティー):Internet of Things(モノのインターネット:様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み)等の導入推進が叫ばれていましたが、それらとDXは何が違うのでしょうか。

■IT化とDXの違いとは?

IT化は、既存プロセスの生産性を向上させるものです。何がどのように変化するか、社内でも分かりやすいのが特徴です。それに対してDXは、プロセス自体を変化させます。

DXでは単に「作業時間が減る」「作成プロセスを自動化する」などの分かりやすい変化ではなく、「顧客との接客方法がデジタルを通じて根本的に運用が変わる」「物流の配送計画をデジタルを用いて確認プロセスが抜本的に変わる」など、会社全体に関わるような変化であるのが特徴です。

IT化による変化は「量的変化」
DXによる変化は「質的変化」

みなさんがよく使う例では、アプリ開発によるサービス提供ではないでしょうか。

この記事から、

・・スマホが完全に生活のインフラとなった時代を生きる10代はあと5~10年で成人を迎える。そのことを勘案すると、世の中のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)は不可逆と言える。こうした対応を躊躇する企業は淘汰されることをデータが物語っている・・・

とあります。しかし、僅か2年でアプリのトレンドが大きく入れ替わるということを鑑みると、DXが不可逆だと指摘する一方で、安易に投資すると回収できないままトレンドが終了する可能性もあるのでは?という疑問も浮かぶのです。


■DX、難しく考えなくても

現在、経済産業省が危機感を持って推進しているのが、古いITシステムの刷新です。というのも、老朽化した既存のITシステム(=レガシーシステム)は、DX推進の足かせとなっていると考えられるためです。

DX推進に取り組む優先順位としては、最初に老朽化したレガシーシステムから脱却しないことには、すべてが始まらないという企業が沢山あるということ。

でも「具体的に何をすればいいの・・?」


そこで、もっと単純に考えてみましょう。

既にDX推進している企業のアンケート調査によれば、DX推進によって以下の5つの恩恵を受けているようです。

1 顧客からの評判やロイヤルティ・顧客維持率が向上する
2 生産性が向上する
3 コスト削減になる
4 利益が向上する
5 新しい製品やサービスによる売上が生まれる

ここから、この5つの恩恵を受けられるように、コストをかけないDXってできないのかな?と考え、実践している私のDXをご紹介します。

■私のDX①スケジュール管理

従業員30人未満程度の会社であれば、スケジュール管理のために有料サービスを導入するよりも、ホワイトボードに書いたりシフトを作成したりする方がいいと思われることが多いでしょう。

そこで、無料で使えるとても便利なカレンダーシェアアプリ「TimeTree」のご紹介。

画像1

カレンダーをスマホで複数人でシェアできるスケジュール管理アプリです。私は数年前からずっと無料で使用しており、紙の手帳は持っていません。

メリット
・複数人でカレンダー共有・登録できる
・色分け・詳細登録など最低限の機能がある
・メインカレンダーに広告表示なし
・クラウド上管理なので紛失などの心配なし
・祝日が自動的に最新になっている
・他の人が登録したのがタイムリーに分かる
・今のところずっと無料で使えている
デメリット
・今のところ無し

私の予定が【水色】、取締役である夫の予定が【赤】、二人とも関わる予定が【黄色】、子どもの参観日や短縮授業など特殊イベントは【黒】【緑】【ピンク】など、こんな感じで使っています。

画像6

これを業務に導入することで得られるメリットは下記です。

①会議やMTGの日時設定のために、いちいち社長や他の人の予定を聞かなくていい

②出勤していない人、出張に出ていて不在の人の予定も分かるので、アポを代わりに取れる

③営業先で次の予定を他の担当者分も含めてその場で決められる

→生産性向上、コスト削減、素早いレスポンスによる顧客満足度向上


こういったサービスは、サイボウズなどで既にあったと思いますが(前職で私も使っていた)、無料でここまで使えるのがTimeTreeの素晴らしい所です。スマホを持っている人であれば誰でもすぐに使えます。

このアプリについては、2年半ほど前の日経ウーマン【ウーマンオブザイヤー】の大賞を受賞した際のインタビュー記事でもお伝えしています。

画像6

部署ごと、会社ごとなどの単位で使用してみるのはいかがでしょうか。

■私のDX②他社サービス活用

自社で新しくアプリ開発やシステム導入するには、初期投資のコストが大きくかかって不安ですよね。かけたコストが取り戻せるかどうかも心配です。

それであれば、他社が既に開発したサービスに乗っかるのも1つ。私が使っているのは下記の2つです。

①発注管理LINEシステム

最近の食材業者さんたちの多くが開発されています。
発注する時にLINEで入力するだけ。これまでのようにFAXや電話の発注よりも、過去の履歴が閲覧できたり誰が発注したか見られたり、現地に出勤していない私も管理できたりと、非常に分かりやすくなりました。

画像6


②デリバリーの活用

デリバリーサービスの会社は沢山ありますが、私が今のところ一番良いと思うデリバリーサービスは【foodpanda(フードパンダ)】です。

画像5

Uber Eats(ウーバーイーツ )やDiDi Food(ディディフード)など様々なデリバリーサービスがありますが、どのデリバリーでもお店用のタブレットは無料でレンタルしてくれます。Wi-Fiがあればそのまま使えますし、Wi-Fiが無くてもデータ通信料は200円/週程度で使用できるという非常に導入しやすい設定。

その中でもfoodpandaがオススメな理由は、何と言ってもオーダーが紙で印刷されること!!!

画像6

他のデリバリーでは、タブレット端末にオーダーが表示されるだけで、自分たちで書き写さないといけません。すると、間違えたり見逃しているオーダーがあったりするんですよね。。。

この、人間のミスを全てカバーしてくれるのがfoodpanda。出力された紙を厨房に貼って、完成したらお渡しする袋に貼っておくだけ。システムによってミスを限りなくゼロにし、厨房の作業効率も上がる。私たちが独自では得られなかった顧客に宣伝と配達までしてくれる。

まさにこれこそDXですよね。


私は飲食店を経営しているので、今回は飲食店の事例に偏っていますが、他の業界でもお使いいただけるアイデアが少しでもあれば幸いです^_^

コストをかけずに、少しずつDXに慣れて導入していきたいものですね。



中小企業のための、
コストをかけないDX。
でした!

株式会社minitts
代表取締役 中村朱美

Thanks!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?