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夜明かしのご褒美とお祈り

10月11日は朝の5時
それは眠れない君と
一日を終わらせられない私の
静かで優しい夜が寝つく時
夜明けの金星に出会えて嬉しく眺める

重たくまだほんのり目蓋を開けた眠だるそうな青の空に
家々の黒い影がくっきりと浮かぶ
目線の少し上に金ピカの強い星が輝く
震えて溜め息の出るそのわずかな光の時間は
後ろめたさと共に夜を明かした私の
弱々しい命にさえ与えられる特別優しいご褒美

子供の頃は丸く小さな点だったのが
近頃は絵に描いたような星型の
放射状に飛び出す光で空にかかって
さらに増して特別に見える

密やかな出会い
おはよう金星さん
見えない君には届かない声で
おやすみ
私は目を閉じて胸に祈りを刻む

愛しい人がこの先も健やかで美しく在られますように
たとえそこに私が居なくとも

でも叶うのならば
一緒に居られる時間が欲しい
私の小さな力が君の喜びに変わりますように
そうしてその喜ぶ君を感じ取りたい

そこが昼であろうと夜であろうと
遠い星であろうと
放たれる君の塵と光が
この身に届きますように

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