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爪に関する漫筆

 右手小指の爪が先の方で割れた。割れた部分は指の肉から剥がれている。痛くはないけれど、服に引っ掛かって気持ちが悪い。
 それで割れたところを切ったら、短くなってまた割れた。また引っ掛かるからまた切った。だから右手小指の爪が左手よりも随分小さくなった。
 あんまり小さくなってもいけないので、これ以上切るのは止そうと決めた。

 子供の頃からずっと深爪だった。爪を噛んだりむしったりする癖はないが、先の白い部分が増えてくるとどうにも気になる。切らずにおこうと思っても、とうとう切ってしまう。
 ところが、どういうわけか五十を過ぎてからはあんまり気にならなくなった。白い部分をある程度までは切らずにいられるようになったのである。
 だから深爪でなくなったはいいが、面積が増えたせいか、今度は爪の表面が気になりだした。
 縦筋と波打ちで、いかにも年寄りの指に見える。初老だから年寄りには違いないけれど、何だか気になっていけない。
 放っておいたらきっと切りたくなって、また深爪になるに違いない。それではつまらないので、百均で買った爪磨きを使うことにした。
 あんまり磨いてピカピカにしても気持ちが悪いから適当なところで留めておいたが、小指の爪はそれでも磨きすぎて薄くなったものだろうと思う。
 気づけば小指だけではなく、薬指のも割れかけていた。

 爪といえば、飼っているうさぎを抱っこすると嫌がって腕から跳び出すことがままある。何しろ腕に爪を引っ掛けて蹴りだすのだから容赦がない。半袖を着ている時にやられると随分痛い。
 引っ掻かれた痕が腫れて、変な菌を持ってるんじゃないかと不安になるけれど、今のところ大事には至ってない。

よかったらコーヒーを奢ってください。ブレンドでいいです。