誤発信、美容師
土曜に取引先のKさんから仕事用の携帯電話へ着信があった。今朝折り返したら、先方ではかけた覚えがないと云う。どうも誤操作でかかったものらしいと謝ってきた。
「なぁんだ、一昨日の土曜に着信があったものだから、何かと思いましたよ」と笑ったら、彼は「あ!」と不意に大きな声を出す。
「土曜ですか、いやぁ、百さん、すみません。それもしかしたらうちの孫かもしれないです。テーブルの上にスマホを置いてたら、ときどき勝手にいじるんですよ」
「それじゃぁ、お孫さんによろしくお伝えください」
※
20年ぐらい前、アドレスを手入力して友人へメールを送ったら、「何の話ですか? どちら様ですか?」と返ってきた。
「君、とぼけていてはいけないぜ。例の件じゃぁないか」
「誰かとお間違えでは?」
そう云われて確認したら、果たしてアドレスが間違っていた。
お詫びと併せて、何だか不思議な縁のようでもあるからこのままメル友になりませんかと送ったら、「面白いですね」と了承された。先方は九州で美容師をやっている女性だった。
何度かメールをやり取りして、別段盛り上がるわけでもなく、じきに途絶えてそれぎりになったのを何となく思い出した。
よかったらコーヒーを奢ってください。ブレンドでいいです。