におい(2023/06/29)
3時半頃目覚めたら、随分雨が降っていた。雷も鳴っているようだった。
よほど今日の出張は止そうかと思ったけれど、そういうわけにもいかないから渋々出発した。
現地は晴れていた。傘がいらないのはありがたいが、鞄が重いには閉口した。すぐにじっとり汗をかいた。ただしこれは使わないものまで色々持ち歩いているのが原因だから、誰にも文句は云えないだろう。
ただでさえ暑いところへ重い鞄を持って歩くのだからいけない。ものの数分で汗だくになって、不快なにおいが気になりだした。
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パスタ屋の店長だった頃、ベテラン店長の白井さんがある新入社員を随分嫌って、店長会議のたびに悪し様に罵っていた。
白井さんは店の裏のドブに落ちてメガネを失くした人である。白井さんを見るといつもそのことが思い出されてじわじわきていたのだけれど、新入社員を罵倒する時は退いてしまって笑えなかった。
全体、ベテラン店長のくせに新入社員をボロクソに貶すのはいかにも大人げない、それより育て方を工夫するのが仕事でしょう、そんなことだからドブにはまって…ププッwww! と地区マネージャーに云って、その新入社員を自分が引き受けることにした。
そうして引き受けてみると、悪いやつではないがいかにも要領が悪い。おまけに何だか、いつも汗くさい。あるいはこれで嫌われていたのかもしれないと思った。
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今日は自分の周囲にあの部下と同じにおいを感じる。
通常、自分のにおいは自分でわからないものだ。それがこうしてちょいちょい感ぜられるということは、相当くさいに違いない。
これで人に会うのはいかがなものかと思ったが、幸い、相手は店のスタッフだったから10分程度の立ち話で済んだ。
よかったらコーヒーを奢ってください。ブレンドでいいです。