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牡蠣とコブラツイスト

 農家の友人が米と餅を送ってくれたので、お礼に広島の牡蠣を送るよう手配した。
 こういう場合、以前は殻付きのを送ったけれど最近は大抵剥き身を選ぶ。殻付きの方がインパクトは強いが、よほど愛好家でもない限り一々開けるのが面倒だろう。だから初めての相手にはガツンと殻付きを送り、二回目からは剥き身を送るようにしている。

 十年ばかり前、家を建てた時に友人らを招いて殻付き牡蠣をカセットコンロで焼いたら、随分好評だった。カセットのガスが切れかけていて焼くのに甚だ時間がかかったから、待たされた分よけいに美味く感じられたかも知れない。
 客人の一人だった光太郎君も「これ美味い」と大いに喜んでいた。彼はこの時まだ小学生だったろう。

 それよりさらに三年前、光太郎君の一家と福井を旅行した。
 道中、彼の父・プー太郎氏が運転する車内で観たカッパの映画を、妻が随分気に入ったのを覚えている。
 晩にみんなでフグを食い、宿で光太郎君にコブラツイストと卍固めを教えてやった。
 今はもう大学生で、自分よりも背が高くなったから、とてもコブラツイストどころではない。

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