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百卑呂シ言行録

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日常を切り出して再構築したもの。
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2023年2月の記事一覧

入道(2023/02/27の日記)

 朝一番で畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)から、営業メンバー全員に宛てて面倒なメールが来ていた。自分の担当先に深く関わる内容だったので代表して返信したところ、CCに入っていたスカル入道からネルソンさんと自分宛に「畜山のやつ、随分迷惑ですね。何でもかんでも転送して来られても面倒なだけですよ。何とかなりませんか?」とのメールが来た――営業メンバーではスカル入道のみ他県でリモート勤務である――。 「全体、彼は何をしろと云っているのだろうね?」と、ネルソンさんが云う。 「畜山を

成長、つながり、中毒者(2023/02/26の日記)

 妻が友達と出かけたのでゴロゴロしていたら、娘がオセロを持ってきた。  先日35対1という記録的な圧勝を収めているから今回も捻り潰してやろうと思ったら、2回やって2回とも負けた。3回やっても負ける気がしたから2回でやめた。とうとうこの日がやってきたのだなぁと思った。  自分を打ち負かして満足したのか、娘は「遊びに行ってくる」と言って出て行った。  出かける前に、幼い頃乗っていた自転車の写真を撮った。広島の祖父母が買ってくれたからと処分することを娘が拒否していたのだけれど、と

羽織とベーコン(2023/02/25の日記)

 朝、娘を踊りの稽古に連れて行く。  ここの教室は1人につき30分ぐらいずつ、順番に指導を受けるスタイルで、待っている間に娘は宿題を片付けた。自分はやたら眠くて、座ったままで居眠りしていた。その際に首を不自然な角度て曲げていたものだから、どうにも首筋の具合が悪い。 「○ちゃん、パパお疲れだよ」と、"踊りのお姉さん" が云った。  義母が娘に羽織を持って来て着せた。  着物も羽織も妻が子供の時分に用意して、ほとんど着ることがなかったものなんだそうだ。 「こうやってお孫さんが

菩薩と牛頭馬頭(2023/02/24の日記)

 マーキュリー先生は元々幼稚園が提供する習い事の講師だったのが、卒園後も家まで勉強を教えに来てくれている。おかげで娘は塾へも行かずにちょっとした出来杉君みたいな点を取ってくるのだけれど、それでいて先生は茶代程度の月謝しか受け取ろうとしない。実に菩薩のような人で、ありがたいことこの上ない。  そのマーキュリー先生の家庭教師もいよいよ今日が最後だから、今日は遅めに帰るようにして、早く帰ると先生が気を使うから、と妻が云う。だから帰りにマクドナルドに寄って時間を潰すことにした。

うさぎ、おいちゃん、同じ道(2023/02/23の日記)

 妻子が朝から出かけたから、今日は一人で留守番である。  朝のうちに掃除やゴミ出しを終わらせ、うさぎのトイレを買いにコーナンへ行った。トイレは簀が割れたのをそのまま使っていたが、どうもトイレ砂を囓っていると思われるフシがあるので新しいのを買うことにした。  目当ての品を見つけた後、ついでにうさぎコーナーへ行ってみた。  うさぎコーナーは小部屋になっている。入口からおじさんが覗いていたから、その側をすり抜けて入った。  妻子と一緒であれば「この仔がかわいい」「うちのうさぎに

疑い(2023/02/22の日記)

 このところ仕事へかかる際に陰鬱な気がしていけなかったが、昨日Q社の宿題を一通り片付けてボールを投げ返してからは随分心がすっきりした。  これで案件が進まなければ、責を問われるのは先方だ。  今日はなんだか遊びのような予定ばかりだったから、心安けく仕事を開始した。  定時を回り、ネルソン氏が外で喫煙している間に彼の席で内線が鳴った。代わりに出てみると社長からだ。 「ネルソンはどうした?」 「多分、煙草です」 「戻ったら社長室へ来させてくれ。ぬふん」 「はい」 「ぬふん」

ツケ(2023/02/20の日記)

 週例ミーティングでネルソン氏がイゴールさんから軽く詰められた。社長や畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)のようなきつい口調ではないものの、普段あまり詰めない人なだけに言葉の重みが凄い。  自分にも多少当てはまる内容だから見せしめの意味もあるのだろうと思って少しどんよりした。  午後からも別件でミーティングに呼ばれた。内容は来年度の売上計画についてで、イゴールさんのやり方を見て、なるほど、売上計画とはこのように作るものかと感心した。  そうしてふと見ると、まとめ役のネルソン

鬼滅の刃、ゼロヒャク思考(2023/02/19の日記)

"元気村" へ橇遊びをしに行くと妻が言っていたが、あいにくの雨である。おかげで朝から一騒動勃発したらしい。 「らしい」というのは、自分はその間まだ夢の中だったからだ。郷里の何かの祭りで格闘技イベントにエントリーして、出番までパチスロで時間を潰す。メダルの買い方が分からずにいたら隣の台の人が教えてくれた。そんな夢を見ていた――格闘技の心得はないし、パチスロとかパチンコも随分以前に足を洗っている――。  結局、遊びに行くモードの娘を鎮めるため『鬼滅の刃』の映画に連れて行くことに

他者の失敗を分析する(2023/02/17の日記)

 Q社のサービスイベントで畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)と車で遠出した。  道中は果たして愚痴大会である。 「何度も話してるけどさ、社長って鼻水爺さんのチクリを全部鵜呑みにして、裏も取らずに処断してくるよな」  それは先日自分が畜山に言ったことだが、指摘するのも面倒くさい。何度も云ってるテイで聞いておいた。  畜山の現在の処遇については全て身から出た錆で、同情の余地はない。けれど今日彼の話(愚痴以外)を聴きながら、考え方は間違っていないようにも思った。  畜山の場合

亜門さん(2023/02/15の日記)

 今朝になって気づいたが、昨日1個もチョコをもらっていない。これまでの人生でバレンタインのチョコをもらった方が少ないが、妻からも娘からもなかったのは初めてだ。 ※  社内に向けて昨日の商談報告メールを流したら、CCに入れた社長から呼び出しの内線が入った。今日はイゴールさんが不在だからきっと来るだろうとは思っていた。  問われるままにメールの補足説明をして、10分ほどで終わった。今日は饅頭は出なかった。  社長から饅頭などをもらうと、亜門さんを思い出すことがある。 ※

ファインプレー(2023/02/14の日記)

 午前中、役員のイゴールさんと前担当の畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)と、Q社で商談をした。引き継いでから初めての本格的な商談である。  先方担当者の "戦国" 氏が理詰めで鋭く突っ込んでくる曲者なのにはちょっと閉口した。  そもそも突っ込まれる要素を作ったのは畜山だから、詫びと弁明をやらせるつもりで彼を連れて来たが、結局自分と畜山が半々で矢面に立つような格好になったのはいささか遺憾であった。  それでも戦国氏の失言を自分が拾ってイゴールさんと畜山との連携でこちらに有利な

幼少期(2023/02/13の日記)

 出勤途中にファミマへ寄ろうとしたら、駐車場に畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)の車があった。朝から顔を合わせるのも面倒なので入るのはやめておいた。 ※  昼休憩に、note移行前に書いたブログ記事の整理をする。改めて読み返すとほとんど全部恥ずかしかったから、8割ぐらいを削除した。あるいは、このnoteもいずれそうなるのかもしれない。そう思ったら下手なことは書けないが、下手なことかどうかは書いたときにはわからないから恐ろしい。 ※  例の、怒って電話に出なかった担当

燃え尽きるまで(2023/02/12の日記)

 妻が医療費の計算をする。終わった分の明細を自分がシュレッダー鋏で切っていたが、あまりの多さに嫌気が差して庭で燃やすことにした。  あいにくライターもマッチもなかったから、近くのドラッグストアへ行ってチャッカマンを買ってきた。後になってチャッカマンなら100均の方が安かったと気付いた。  植木鉢に明細を入れて火をつけたら、思っていたより大きな炎が出て驚いた。  下手な燃やし方をすると煙ばかりがモウモウ出る。以前隣家のバーベキューに苦情を言った都合上、見つかったらどうしようか

たい焼き、ビートルズ、コーヒー(2023/02/11の日記)

 天気がいいので床屋に行くことにした。このところ頭髪を短くすることにしたから、毎月床屋に行かないと破戒僧みたいになって見苦しい。毎月行くのなら安いところでいいだろうと思い、いつもショッピングセンター内の1000円床屋に行くことに決めている。  店の前に座って順番を待っていると小学生の姉弟が現れた。2人は床屋の向かいにあるたい焼き屋を見ていたが、弟はじきに隣のゲームコーナーへ行き、姉もそれを追った。別にたい焼きを買いに来たのではないらしい。そうしてそれきり見なくなった。