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「一九八四年」ジョージ・オーウェル

「優れたSF小説が地球の未来を言い当てる」

設定や年代などの違いなどはあれど、コロナ禍で沢山の映画や漫画作品が、この人災を予言していたとしてピックアップされ、書店に積まれている。

本作品はウイルス災がテーマではないものの、「人が自由に思考する、行動することを手放し、とある安全(戦争、天災、人災)の為に、支配層に監視管理されることをよしとすると、どんな顛末が待っているのか」を冒頭から結末まで嫌と見せつけられる小説である。

さもありなん、だから、怖い。

考える、って何だろう。人と違う、ってどういうことだろう。

強烈なロックダウン無しに同調圧力下でこのwithコロナをいま、今生きている私たち。

政府の力を法が留めているという事実に安堵すれど、それを上回る「空気」の力に、これが1984年ではなくて2020年なんだと気づくと戸惑う。

小説のなかでは政府の力がナチスを上回る思想で及ぼされるのだが。。

「考えたり、書いたり、読んだり、異なる意見を受け入れたり、愛するものと豊かなものを分かちあったり、、ってやっぱり素晴らしいことなんだ。文化も美味しいものも、人間には絶対ひつようなんだ。」

気づかせてくれ感謝。
しかしながら読後の心は重たい。

訳者あとがきに「本作は英国での"読んだフリ本"第一位」とあり。

うん、初めて英国人にうなづいてしまった。

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