音声版・取扱説明書をはじめます
きっかけは、ある人との出会いでした。
少し前から視覚障がい者・低視力の人と、目の見えるボランティアをつなぐ「Be My Eyes」というアプリにボランティアとして参加しているのですが、あるときつながった視覚に障害のあるユーザーから「タイマーを買ったんだけど、使い方がわからない」と言われたんです。
「Be My Eyes」についてはこちらをどうぞ
それはタニタのタイマーで、ボタンが少なく、シンプルな操作が売りのもの。タニタのタイマーのなかでも簡単に扱えるほうのタイマーでした。
しかし「せっかく買ったけど、うまく使えない」と。点眼薬を2種類以上使うとき、時間を空けて点眼が必要なものがあり、そのためにタイマーを使おうと購入したものの、実物はあるけど使い方がわからない…とのことでした。
なぜなら、ボタンに「分」「秒」「スタート・ストップ」が書いてあるから。どれが分で、どれが秒で、どうしたらスタートするのか、カウントダウンなのか、カウントアップなのかわからないと。
見れば一発でわかりますが、これはあくまで”見える場合”の話です。
あぁ、そうか…と、申し訳ない気持ちになりながら使い方を簡単にレクチャーしました。
使いやすさはもちろん大事。シンプルなほど使いやすいです。しかしそれだけがすべてではないことをこのとき知りました。体組成計だって体温計だって、正しく使えなければ意味がないんです。
ざっと口頭で使い方をレクチャーをしたあとに、「音声で取説があったら使いますか?」と聞いてみたら「使うと思う」と。
音声対応の商品をつくれたらいちばんいいんだけど、今日明日にできる話ではありません。企画を通して、デザインやいろんな技術を載せて、たくさん厳しい試験をして…と、とにかく時間がかかります。
いまの私たちにできることは、もっとわかりやすく取説を説明することなのではないかと思って。【取説読書】をしていたのは、実はこのためでもありました。
幸いなことに、取説はネットで検索すればすぐに手に入ります。そして多くの取説は、イラストがある前提でテキストが書かれています。
だから、ただ普通に取説をスクリーンリーダーで読み上げても「なにこれ?」となってしまう。なので、音声だけでわかるように「音声取説用の台本」をつくらなきゃならないことがわかりました。
あと、noteであれば最近のカイゼンでアクセシビリティの強化もされたため、かなり滑らかに読み上げられます。
(止める→とどめる、商品名→しょうひんな、など、まだ突っかかる部分もありますが、かなり使いやすいです)
取説って結構奥が深くて、使い方のほかにも安全上の注意とか、保管方法とか、保証書とか、いろいろ大事なことが書かれています。
そのあたりはまず置いておいて(本当はダメなんだけど)、まずはテストとして、「商品の使い方」に特化させた「読み上げ用取扱説明書」をつくってみました。ところどころひらがなで書いたり、句読点を多く打っているのは、スクリーンリーダーで読み上げるときに滑らかに読んでもらうためです。半角スペースとか行替えではなく、句読点を打つと「息継ぎ」みたいに少し間が空いて聞き取りやすくなりました。
親会社にバレたら「中途半端にやらずにもっと精密に作れ!」って怒られちゃうかもしれませんが…。まずは以前聞かれた「タイマー」の「使い方部分のみ」を載せてみることにしました。もっとこうしたら?等、アドバイスもいただけるとうれしいです。
勢いではじめてしまった音声取説、これから大いに改善の余地はありそうですし、どこまでニーズがあるかも未知数です。そしてグループ会社とはいえ非公式なので、ストップがかかるかもしれません。
しかしサウザンスマイルズの社名の通り「もうあと1000人を笑顔にする」ことに少しでも近づきたいので、まずははじめてみることにしました。
あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
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