【挑む!】使用済み鉛筆を“肥料”や“バイオマス発電”に再利用 三菱鉛筆、サカタのタネら
使用済みの鉛筆を棒状の肥料やバイオマス発電に再利用-
三菱鉛筆やサカタのタネ、日本郵便、品川区教育委員会らは15日、使用済みの鉛筆を回収し、棒状の肥料やバイオマス発電として再利用する取り組み「鉛筆の資源循環システム」の実証実験を開始した。同システムを通じて、学ぶ時に手にする鉛筆で“資源循環”を体験し、実感してもらうのが狙い。
「鉛筆の資源循環システム」のイメージ
これまで鉛筆は短くなるまで使われた後、その多くはごみとして捨てられ、処分されている。三菱鉛筆は最後まで芯が入っていない国産ヒノキ材を使用した「フォレストサポーター鉛筆」(【きょうのWord】)を開発。棒状肥料として再利用するほか、通常の鉛筆回収によりバイオマス発電への再利用の取り組みを行う「鉛筆の資源循環システム」を発案した。
棒状肥料
同スキームの実証実験として、品川郵便局配達地域内の品川区立の小学校・義務教育学校11校で循環のトライアルを同日に開始した。今回の取り組みは、まず同11校に「フォレストサポーター鉛筆」を無償で配布。同11校と品川郵便局に鉛筆回収ボックスを設置し、使用済みの「フォレストサポーター鉛筆」、通常鉛筆の分別回収を実施する。回収箱に集められた使用済みの「フォレストサポーター鉛筆」は日本郵便が回収し、三菱鉛筆内で木粉化された後、サカタのタネの開発協力を得て棒状肥料として加工後、回収箱を設置した学校に無償配布する。同システムの今後の展開について、三菱鉛筆は「品川地区にて実証実験を行い、『品川モデル』を構築した後、展開地区を拡げていきたい」としている。
鉛筆回収ボックス
【きょうのWord】フォレストサポーター鉛筆
正しく持つことができる長さまで芯が入っており、後端には芯が入っていない鉛筆。芯が入っているところまでは通常の鉛筆同様に使うことができ、使い終わった後は芯の入っていない木材のみの部分が残る。自然由来の接着剤と塗料を使用しているため、再利用しやすいのが特徴。「鉛筆の資源循環システム」では使い終わった芯の入っていない箇所を回収し、木粉化して棒状肥料に再生する。
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