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後輩指導で考えたい-一生懸命説明したのに後輩がポカンとしていた時に-

後輩が出来ると、指導する機会は多くなる。そんな中で、一生懸命説明したのに後輩がポカンとしていることを何度か経験したことがあります。

もちろん理由は様々あると思いますが、その内の1つに情報を一気に教え過ぎるということもあるように感じます。

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澤田直也は、大学を卒業し働き始めて9年が経過した。教育責任者になり、自身の教育に対する知識の少なさに気が付き、それ以降日々教育について学んでいる。

澤田が勤める病院は、若いスタッフが人数が多い。そのため教育のシステム作りだけではなく、スタッフ教育も澤田の主要な仕事の一つになっている。

ある日後輩指導について、部下から相談があった。

後輩(後):相談に乗って欲しいのですが
澤田(澤):どうしたの?
後:いや、後輩が階段昇降について教えてくれっていうから一生懸命
  教えたんですけど、ポカンとしててですね。どうしたらよかったのか
  いまいち分からなかったんです。
澤:そうなんだ。ちなみにどんな風に教えたの。
後:まず、階段昇降に必要な関節の角度について、次にそのために必要な
  筋力について、加えてその時に必要なバランスのとり方、最後に練習
  の時に必要な環境設定方法って感じですかね。
澤:さすが、新人の頃に階段昇降の方法が分からな過ぎて一緒に勉強しただ
  けのことはあるね。ちょっと想像してほしいんだけど、君が新人の頃
  そんな風に教えて貰ったらどう感じていたんだろう。

後輩は少し考えるそぶりをして
後:それは感謝したと思いますよ。だって分からなくて困っているわけ
  だし、、、、でも、もしかしたらそんなに一気に教えて貰っても理解が
  追い付かなかったかもしれません。
澤:そうなんだよ。僕も得意なことを教えていると楽しくなってきて、教え
  過ぎちゃうことがあるんだ。君にもしたことがあるんだけど、その時の
  君もポカンとしてたよ。
後:そういわれると、そんな事あった気もします。全部伝えてあげたいけ
  ど、相手の受け入れられる情報の量を考えながら優先順位をつけて教え
  る必要があるのかもしれませんね。

澤田は少し笑いながら
澤:そうだね。それが出来るようになってきたら、相手は何を知りたがって
  いるか、いつ伝えるかなど他の要素も考えていけるといいかもね。
後:何を知りたがっているかは重要だと分かるのですが、いつ伝えるか
  とは、、、、
澤:例えば業務終了後で凄く疲れている時や、これからデートがあって急い
  でいる時に指導を受けたら、理解は進みそうかな?
後:それは難しそうですね。

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指導する時に、指導される側が一気に受け取れる情報の容量について考えてみるのも、指導を効果的にする方法なのかもしれません。


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