藤井風『HELP EVER ARENA TOUR』横浜アリーナ2日目 詳細(ネタバレあり)②
スモークがたかれた暗闇のステージ左側から、サックスの音がした。目を凝らすと吹きながら前方へ、歩いてくる人の姿。
曲は『風よ』。スポットライトが当たって、その音の源が藤井風氏だと知る。私の中では、藤井風=ピアノのイメージが強かったから、なんとなく、このライブもピアノで始まるものと思い込んでいた(この後私の予想は、ことごとく覆されることになるのだが)。
1曲目は丸々、歌無しサックス演奏だった。
2曲目『調子のっちゃって』。初めて聞く風さんの生歌。CDと同じか、それを上回る歌の上手さに感動して、余り覚えてない。
MC“コンタクト入れてきたから、後ろの方もよく見える。皆さんのお顔を拝まさせて頂きます(丁寧な口調で少し噛んでた)“
3曲目ピアノ弾き語りの『優しさ』。で、しんみりさせたかと思いきや、
4曲目“みんな大好き、わしも大好き『きらり』”では歌いながらダンスで盛り上げる。曲のタイトル通り、キラキラまぶしかった。
風さんは、いつも楽器の演奏かダンスをしながらで、歌だけの時がほとんどない印象。自分でも“今回ダンスすごいのよ。でも若いから大丈夫”と息を切らせながら言っていた(落ち着いて見えるけど、まだ24歳)。
5曲目『キリがないから』。アンドロイドと一緒にダンス。6曲目『へでもねーよ』の冒頭では尺八を披露。一体、引き出しが幾つあるのだろう。多彩過ぎる。
MCの後7曲目『罪の香り』、8曲目『もうええわ』。この日は『もうええわ』が一番心に刺さった。
“泣くくらいじゃったら笑ったるわ アハハ”と言う豪胆な歌詞からは、現在の自分が程遠い事を知っている。全部じゃなくてもなるべく荷物は下ろして歩きたいと思う曲。この時は、曲を通して「無理してない?」と言われているような気持ちになって、風さんを見ている視界が少しぼやけた。
9曲目『死ぬのがいいわ』。10曲目『特にない』は、”心の奥のネガティブなものが弾けて消えるイメージで指パッチンしましょう”と、皆で心のお掃除が始まる。最近の風さんは‘’いいことも悪いことも、その日の内に忘れて、執着しないようにしてる‘’そうだ。バンドメンバーも含めた皆で、指パッチンしながら、ネガティブを消し飛ばす。でも、執着しないって中々難しいことだと思う。この日のライブの感動を留めて置きたくて、こうして書いているのは、忘れっぽい自分の代わりにnoteに記憶させたいだけで、執着ではない(と思いたい)。
11曲目『帰ろう(+ピアノ)』。この曲を聴くと、自分にも全てを捨てても、帰れる場所があるんだな、と思う。または、なくてもあるように感じるから不思議。大きく考えれば、死後の世界も含まれるのだろうけど。最期は、こういう曲を聴きながら、痛みなしでフワッと召されたい、切実に。
12曲目『青春病』。若いのに青春という物を、こんなに達観できるなんて、ほんと天才。儚いものばかり求めた結果、出来上がった大人には刺さりすぎる。心痛い…。
バンドメンバー紹介の後、13曲目『何なんW』。14曲目『燃えよ』。みんなで楽しく踊った印象。
ダンスメンバー紹介の後、『さよならべいべ』。サビ部分、皆でお手ふり。そろそろライブが終わるのかな、と心がざわつきだす。
MC‘’今日はみんなと友達になれて良かった(ここで言ったかどうか忘れたけど、確かにそう言った)。‘’
16曲目『旅路』でライブ終了。18時36分、アンコール無しで会場が明るくなり、すぐ規制退場が始まった。
正直もっと見たかったし聴きたかったけど、オリジナル曲16曲、全部聞かせてくれたから文句は言うまい。全体的に、山盛りエンターテイメントにセラピー効果を加えた、楽しくて心に効くライブだったように思う。残り9公演、チケットはソールドアウトしてるけど、横浜や大阪公演のように、直前で追加席が出るかもしれない。東京公演は外れたけど、追加席取れたら絶対行ってしまうな。それ位、圧巻のステージだった。
今回、藤井風という死角のないシンガーソングライターのショーを、体験できた事は貴重だったが、夢のようにあっという間だった。もう一度あの場所にいたことを再確認したいから、是非このツアーを円盤化して欲しい。
以上、藤井風『HELP EVER ARENA TOUR』横浜公演2日目レポ(ネタバレあり)でした。最後までお読み下さり、ありがとうございました。
↓風さんからも、来てました。
こちらこそ、ありがとうございました。
関ジャムでは、横浜スタジアムでのライブの感動が蘇るような、貴重なインタビューが聞けて楽しかったです。
追記)今、今夜放送のNHKミュージックSPを見終えた所。フリーライブや故郷での密着取材など盛りだくさんな内容でしたが、中でも、国内外のファンの熱い声が印象に残りました。風さんの音楽が海を越えて、色んな人の今を支えている。素晴らしい企画でした。また、後でゆっくり見たいと思います。
注)ライブレポの内容ついては、うろ覚えの箇所もあります。参考程度にご覧ください。