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藤井風『HELP EVER ARENA TOUR』横浜アリーナ2日目

圧巻のステージだった。

2021/10/3日曜日、17時。ほぼ定刻に始まった藤井風さん(以下敬称略)のワンマンライブ。約1時間半の無駄のない凝縮されたステージは多彩で親密でありながら、観る者の心をリセットしてくれる、魔法の様な時間だった。

藤井自身は、歌ったり楽器を弾いていない時は常に、ダンスをしていた印象が残る。客席の配置が、当初から市松模様だったことからも、この時期にライブをする事への、発する側の気遣いが感じられる。多彩なアレンジの楽曲たちの余韻に浸る間もなく、気付けば全ての曲が終わっていた。

そしてライブから2日たった今、私は空っぽの入れ物だ。多分生まれたときから今までになくした物、そして、その代わりに頂きたくもないのに頂いてしまった、自分の行動を制限する雑念。それすら、すっかり消えてしまった。ツアーグッズが買えなかった悔しさなど、とっくになくなっている。

正に“無“。

心の断捨離が出来たのか異常に心が整って、やっと今頃訪れたライブの余韻に浸っている。

とにかく、藤井風という人のライブを体験して良かった、正しかった。

ツアーは残り9公演、最後まで無意識に彼は、熱く正しいまま完走するに違いない。

そして彼から“友達”のバトンを渡された私達も、風と走るのだ。

最後まで走ろう。

ツアーファイナルの東京までの旅路が、実り豊かである事を願って。



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