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タワーマンションの未来。新時代の共用施設 その1 中編
どうも、サウザンドハンズ社長です。
前回に続いて、「タワーマンションの未来。新時代の共用施設 その1」をお届けいたします。
こちら中編のため、前編をまだご覧になられていない方は、前編からご覧ください。前編はコチラ
「皆さん、ちょっと待ってください。」
声を上げたのは、マンションの資産価値向上について、常日頃から考えていたC氏であった。
C氏「私に一つ提案があります。このまま一律に禁止にしてしまうのはもったいないのかもしれない、と思いまして。」
理事長「どういうことでしょうか?」
C氏「皆さん、これを見てください。共用施設の運営状況の資料です。本マンションのゲストルームは全部で3室ありますが、ここ最近、稼働率が下がってきています。今後の見通しとしては、お盆・年末年始などを除いて、3室が常に稼働している日は少なくなるんじゃないかと思います。」
とある理事「確かにそうですね。」
C氏「私は、A氏から話を聞いて、実のところ、購入検討者に本マンションで実際に生活体験をしてもらうこと自体は、アイデアとして有りだな、と思いました。」
理事長「実際にA氏はうまく売却に繋げられていますからね。」
C氏「そこで私が提案したいのは、ゲストルームを、本来の目的での予約がない時に限って、本マンション購入検討者向けに”宿泊体験ができる施設”として運用していくことです。」
理事長「なるほど。そうすれば、本来の目的で利用したい人の妨げにもならず、稼働率も多少向上しそうですね。」
C氏「セキュリティ面など、課題はあるかもしれませんが、本マンションの資産維持の向上にも繋がるはずです。ぜひ皆さん、ご検討をお願いします。」
…こうして、前例のない取り組みが始まったのでした。
理事会での議論を重ね、管理組合総会の議案となりました。
総会において、永住志向が高い居住者やセキュリティ面を不安がる居住者からは反対の声も挙がりましたが、多くの所有者がリセールに繋がることは積極的に進めようという意向が強く、最終的にトライアルルームとしての運用が可決されることとなります。
トライアルルームの運用にあたり、導入された主なルールは以下のようなものでした。
・ゲストルーム3室の内、まずは1部屋をゲストルーム兼トライアルルームと規定。
・ゲストルームとしての予約が前日17時までに入っていない場合、トライアルルームとして利用可能。それまでは先着順で仮予約ができる。
・予約できるのは、物件の売主。利用料の負担は、売主だが、売主が宿泊者に利用料を請求するかどうかは任意。
・売主は、売却契約が成立するまで何度でも利用できるが、宿泊者は一度しか利用できない。
・予約時に宿泊者は本人確認書類の写しを提出、および保証金として10万円を預託する必要がある。※保証金は、退室時に管理会社スタッフが室内確認後、問題なければ返金。
・宿泊時、物件売主同伴の上で、マンション内の他の共用施設を利用可能。ただし、原則入居者が優先。
つづく
東京都中央区日本橋にある不動産会社の社長が執筆しています。不動産取引のことや不動産業界のことなどを書き連ねていきたいと思います。何かご質問やご相談がございましたらお気軽にお尋ねください。noteのテーマのリクエストでも大丈夫です♪