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ドイツの学校にはなぜ「部活」がないのか

僕の学校ではまだ部活の再開ができていません。感染拡大が止まらず、陽性者が出れば学級閉鎖&オンライン授業。部活動の中止が続いてほっとしている子が多くいるのが現実ですが、どうしてそんなに部活が嫌われているのか、これからの部活動がどのように在るべきかを、この本を読みながら考えていこうと思います。

今回読んだ本は高松 平藏著「ドイツの学校には なぜ 「部活」 がないのかー非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間」です。部活動がないドイツのスポーツ文化と、それを支えるコミュニティを学ぶことで、多くのことが学べるのではないかと思います。


今日のポイント
・主なスポーツの場は「スポーツクラブ」
・学校は午前中で終わり、午後は余暇時間
・小さな都市でも自立し、活気がある


【主なスポーツの場は「スポーツクラブ」】

ドイツの学校には部活がありません。それでもサッカーをはじめ、テニスやモータースポーツなど、多くの分野で活躍しているプレーヤーを輩出しています。

部活という概念がないなかで、彼らは学生時代からどのようにスポーツに親しんできたのでしょうか。ドイツには、ものすごい数のスポーツクラブが存在していて、ドイツスポーツを支えています。

10万人程度の小さな街でさえ、なんと100種類のスポーツクラブが存在し、街に住む人みんなでスポーツを楽しんでいます。


【学校は午前中で終わり、午後は余暇時間】

ドイツの学校は基本的に午前中で終わります。

8時には授業が始まるので、日本より朝はちょっと早いですが、午前中で授業は終わります。午後、学童保育のような場所に行って宿題を見てもらう子もいれば、スポーツクラブに行って好きなスポーツを楽しむ子もいます。

ドイツの学校のシステムを紹介します。

日本でいう基礎学校(4年間)は全員同じ学校で学びますが、その後、3つの学校から自分で進学先を選択します。職業訓練の場となる基幹学校(5年間)、実科学校(6年間)、そして卒業=大学入学の権利を得られるギムナジウム(8年間)。

小学校での成績によって、進学の選択肢が増えていくそうです。

入試制度もなく、大事なのは在学中の成績です。だからこそ、留年は普通にあるし、退学や転校もあります。実力がないと先に進めないんですね。

これらを踏まえて、学校が終わった午後の時間の過ごし方は、各々が自分で選択します。

また、1人が加入しているスポーツクラブは1つとは限らず、いくつかのクラブを掛け持ちしているケースもあるそうです。


【小さな都市でも自立し、活気がある】

ドイツという国は連邦制であり、16つの州それぞれが自立しています。

また、都市一つ一つも小さいですが、アディダスをはじめ、プーマやバイエル、ベンツ、フォルクスワーゲンなどグローバルな企業がたくさんあります。

だからこそ、自分の住む街を大事に思っているし、コミュニティ感覚は高いといわれています。

また、外国系の市民も10%以上(日本は2%)と、全体的に他者を受け入れる寛容さももっているんですね。

小さな街にも100以上のスポーツクラブが存在している理由が見えてきます。


形だけドイツの真似をしてもうまくいかないでしょうが、スポーツや仕事、余暇時間の捉え方自体を変えていくことで、一人一人が楽しく健康に生きていくことにつながるのではいかと思います。

次回も部活がないドイツのスポーツ事情を考えていきたいと思います。

ではまた!


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