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コミュニティはもっと滑らかであるべき

※この記事は2023年8/3に公開された記事です

こんにちは、Gussanです。

前回の「世の中の体験がアートである」を書いてから、生活の中でアートを感じすぎて、感受性が豊かになっちゃってます。皆さんも毎日をアートにしましょう。

さて、本ブログでは、NFT領域においてよく耳にするコミュニティについて書いていきます。あらゆる事業者さんの新規事業担当者と話していると結構な頻度でコミュニティを作りたいという話がでてくるので、コミュニティづくりに対するニーズはあるんだなと日頃から感じていますが、作ってどうするんだ?とかコミュニティの意味あるのか?と思うこともあります。

コミュニティという言葉の抽象度が高すぎるというのが一つ課題としてありますが、本記事を読んで少しでもコミュニティづくりの参考になれば幸いです。


コミュニティとは何か

コミュニティを定義する

コミュニティとは何でしょうか。

コミュニティと調べてみると、以下のような内容が出てきます。

「community」とは、ある文化や宗教、利害などを共有する集団、共同体という意味を持つ。文脈によっては、広く一般社会、公衆のことを指すこともある。経済界や芸能界、スポーツ界のように~界の意味で使われる場合もある。

Weblioより

共同体のことをコミュニティと呼んでいますが、あまりに抽象度が高すぎます。
僕のかつての記事、Common Sense / Community / Communicationではあるコモンセンスを共有したネットワークの参加者のことをコミュニティとして定義していました。

https://en.wikipedia.org/wiki/Social_graph

あらゆる社会関係はソーシャルグラフというネットワークによって描けるため、ネットワークを基盤としてコミュニティを定義することはあらかた間違いではないと考えています。

コミュニケーションとは

コミュニケーションというのはコモンセンスを共有した上で成り立つ意思疎通なので、共有されたコモンセンスの深度みたいなものによってコミュニケーション・コミュニティの濃度も変わってくると考えています。

例えば、天気みたいな話だと、特に話すことないけどなんか話しておくか…くらいの話題ですし、共通の知人であれば、知人の悪口で盛り上がれるかもしれません。ネットワークサイズに限りがあればあるほど深度が深まり、できるコミュニケーションの濃度も高まります。

コモンセンスの深度(イメージ)

我々は大量のコミュニティに所属している

社会を生きる上でコミュニティというのは、あらゆるところに存在しています。自分のニュアンスはおそらく本来の意味するようなコミュニティとは少し違い、もっと広義的です。さまざまなネットワークの中に多層的にうっすらと属しているイメージです。

僕がシンシズモという会社に属していたり、クリプト好きな人と集まったりという明らかにコミュニティとして認知できるものだけでなく、ユニクロを着がちとかコーラが好きであることなどの日々の生活にも張り巡らされたものです。

なぜそこまでサイロ化して考えているかというとそこにコモンセンスがあるからです。コーラが好きということで意気投合したり、同じユニクロの服を着てるだけで変な空気になったりとそれぞれの事象でコミュニケーションが発生します。その事象を介したコミュニケーションはその空間におけるコモンセンスと言い換えることができます。

コミュニケーションが発生した時点でそこにコミュニティが生まれるはずです。同じ空間でコーラ好きに遭遇してコーラの良さを語れば、それはコーラコミュニティの誕生を意味するのです。


あらゆるところにコミュニティがある

コミュニティの在り方

Discordを使ったコミュニティへの違和感

NFTプロジェクトの多くは、コミュニティという名目でDiscordを立ち上げます。

Discordでいくつかのチャンネルを作り、ホルダー限定部屋を用意します。チャンネルでチャットをすると自分のコミュニティへの貢献度が上がります、みたいな感じです。

少し個人的な話になりますが、NFTを購入したものも含めていくつかのNFTプロジェクトに入りましたが、自分のコントリビューションは全く続きませんでした。購入したものであれば、自分がコミュニティで活動を頑張ってそのNFTプロジェクトのモメンタムをあげた暁には、そのNFTの価格が上がるかもしれません。しかし、正直なところ自分は全く頑張れませんでした。

Discordコミュニティというのは想像よりも体力を使うのが肌感です。

大量の情報が流れてきますのでキャッチアップをしたりすることも必要になります。会話も非同期的に発生するので、会話についていくとなると適宜確認する必要があります。このように確認コストが大きくなった結果、大概Discordから抜けたり見なくなったりします。

Discordコミュニティで情報を毎日ウォッチしているのはかなりの熱狂度がないときついものになります。では、Discordに入っていない人や離脱した人はコミュニティに所属していないことになるでしょうか?このDiscordが作る境界線に違和感を覚えました。

先ほどのコミュニティがネットワークであることを考えると、コミュニティというのは様々なところにあるもので、NFTプロジェクトというコミュニティを考えたときにそのネットワークがDiscordに閉じているわけがありません。Twitterにも存在するかもしれないし、オフラインにあるかもしれません。つまりコミュニティをどこかに閉じることには無理があります。なのに、Discordには明確に境界線が存在するのです。

ネットワークを閉じること、すなわちコミュニティの死

コミュニティにおいてネットワークは資本です。ネットワークがなくなるということはコミュニティが存在しないことと同義です。
ネットワークは、拡大を続けなければ急速に縮小します。これはネットワークの性です。

なのでコミュニティを生かし続けるにはネットワークを広げるしかありません。そして、コモンセンスを世界の理とする他ありません。
自分のなかではDiscordをコミュニティの主戦場とすることはネットワークを閉じることに程近いことだと思っています。

もしDiscord is community baseと考えている人は議論しましょう。

コミュニティに必要なのはなめらかさ

Discordを使うと、コミュニティというものの境界がとてもわかりやすくなります。極端に言えば入っている人はコミュニティメンバーで、入っていない人はコミュニティメンバーではない、と言えるからです。運営がそうと言っているかとかは正直あまり関係ありません。最終的な認知を決定するのはユーザーサイドだからです。

しかし、コミュニティとのネットワークを0,1のバイナリで評価をするというのは如何せん解せない部分があります。NFTプロジェクトとの関わり方として、以下のようなものが挙げられます。

  • NFTを複数持っている

  • NFTを1つ持っている

  • UGCに出したことがある

  • TwitterでRTやいいねをしたことがある

  • 友達に話したことがある…etc

このようにプロジェクトとの関係値を作る方法を挙げれば枚挙にいとまがありません。

コミュニティに参加したことへのアクションは0,1になりますが、総体的な評価を0,1でするのはナンセンスです。また、コミュニティのネットワークへの参加は、コモンセンスを持ったコミュニケーション以外で定義するべきではないと考えています。それ以外のルールを定義することはネットワークを衰退させることになります。

コミュニティに所属しているかの0,1に意味はない

コミュニティを作る上で重視すべきこと

ネットワークにフィードバックすること

コミュニティを作る上で重要なことの1つはネットワークにフィードバックするかどうかです。ネットワークにフィードバックしてネットワーク拡大の火種になることです。

どうやってフィードバックするかどうかは、自分で考えてください。

ただ、最近の考えである「世の中の体験がほとんどアート」であるということはとても重要なヒントになります。なぜならアートはネットワークであり、世の中のアートはフィードバックによりネットワークを拡大させているからです。

アート的な体験を作りましょう。

よりオープンにすること

情報がオープンであることはネットワークの拡大に直結します。

ブロックチェーンがその良い例です。

コミュニティ設計もオープンであることが重要です。なので主戦場はDiscordであるべきではなく、Twitterかもしれないし、掲示板かもしれないし、分散型SNSかもしれない。新規のネットワーク参加者への参入ハードルが極めて低い場所を選ぶべきです。

オープンにするというのはコミュニケーションの場だけでありません。

例えば、限定視聴コンテンツというのはあまりコミュニティのネットワークにフィードバックしません。むしろ、ネットワークを閉じています。で、あれば視聴はオープンで別のところに限定性をつけてネットワークにフィードバックさせた方がいいです。

個人的に以下は良いコミュニティづくりの例かなと思いました。

めちゃくちゃ簡単に書くと、ニュースレターだけで3億円稼いだ女性の話で、全ての記事を無料で公開して、コメントを書くところを有料にしたという内容です。

コメント自体ももちろん読むことはできます。ただ、そのコメントで行われている議論の質が高いゆえに、有識者だったり議論に参加したいユーザーはお金を落としていくのです。

お金をかけることでネットワークへの参加ユーザーのスクリーニングを行なっているわけです。結果的に良質なコミュニティが出来上がっています。

ここで重要なのは、記事もコメントも無料で読めて公開されているところです。

公開されたことでネットワークへの参入ハードルは著しく低くなり、新規参入を発生させています。これは情報を公開したことによってネットワークにフィードバックしている例になります。

まとめというか感想

コミュニティというのはあるコモンセンスを持ったネットワークのことを指します。

我々は大量のネットワークに囲まれながら生活しているわけで、ありとあらゆるコミュニティを多層的に生きています。

自分がそこに所属しているか所属していないかという0,1の表現は、ネットワーク的に言えば意味がなく、滑らかにネットワークに参加できることの方がコミュニティを成長させるには重要です。

コミュニティというのは明らかに認知しているものもあれば、無意識のうちにそれをコミュニティと呼ぶ場合もあります。

今後NFTプロジェクトが増えてきたり、日常的にNFTが使われるようになった時、あらゆるコモンセンスがオンチェーンに生まれます。コモンセンスがより簡単に顕現する状態が生まれると、コミュニティが形成され、生活がよりアートになる気がします。

この緩やかなコミュニティを作るには滑らかさが必要です。

Twitter:@0xguss3

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