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地方がICTに飲まれた瞬間
テレワークやリモートワークが一般常識化してきた現代。近い将来地方と呼ばれる場所にはサテライトオフィスができ、交通やネット回線は発達し、都市と同様の機能をもつ場所へと生まれ変わるでしょう。
その時、地方はどのような立ち振る舞いをするべきなのでしょうか?
その答えを探すヒントとなる事例が徳島県にあります。
ICTと芸術の拠点 神山町
神山町は徳島県にある人口もそれほど多くない町です。
難しい話は今回は省きますので、気になった人は行政がどのような動きを見せたのか調べてみてください。
転機となったのは、2005年に徳島県が全戸に光ファイバーを設置したことです。これによって、徳島県全戸がネット環境につよい町になりました。
これを機に大南さんという方がNPO法人グリーンバレーを創設すると同時に知り合いの建築家に依頼し、古民家を改修したサテライトオフィス「ブルーベアーオフィス神山」(最初の写真)が完成します。
また、1999年からスタートした「神山アーティスト・イン・レジデンス」では芸術家を積極的に神山町に誘致し、短期滞在してもらいながら創作活動を行う取り組み・支援をしています。
これらの事からここ神山町は、
藝術や建築、風景を文化として捉え、文化を育むことで
神山らしさをつくりだしたまち
といえるでしょう。
気になる方は、坂東幸輔さんと石川初さんについて調べてみてください。
暮らしたい未来のまち
さて前置きが少し長くなってしまいました。最後に私が思う暮らしたい未来のまちについてお話ししたいと思います。
それは一言で言いますと、
文化と地形と現代技術が調和するまち
です。何を言っているかと思いますが、自分でも正直若干そのような気持ちがあります。
遡ること150年前、1871年に戸籍法が制定されてから、人々の間に居住地という明確な概念が生まれ、文化が加速度的に発達していきました。それから150年が経ち、地方では伝統工芸品や伝建地区の制定など文化や地形が色濃く残る反面、渋谷や梅田ではもはや地形や文化の見る影がありません。
私は都市が日本のあらゆる機能を担い、重要な拠点となっていることをありがたいと感じ、全く否定する気はありません。しかし、情報化社会が発達した時に、地方が渋谷や梅田のようにビル群も無数の道路で埋め尽くされた場所になるべきだとは思いません。
場所にはそれぞれ今までの文化や地形の履歴があり、それらを残し、そして活かしながら現代に則した開発をするべきだと考えます。
地形に呼応し、文化を継承しながらも現代の技術や暮らしに合わせたまちが私の暮らしたい未来のまちです。
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