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第23回24時間リレーマラソン神戸大会 シングルの部① 準備

ほんの少しの希望に懸けて

5月末、弘前での24時間マラソンで撃沈してから、エントリーを決めた神戸大会。リレーマラソンと名前がついているが、シングルの部があり、一人で24時間走ることもできる。スパルタスロンの基準をクリアするためには、真夏だろうが、何だろうが、やるしかない。
より過酷なレースでの、未知の領域への挑戦は、ワクワクするというより、恐怖心のほうが強かった。

準備

弘前のレース後、腰の状態がよくなるまでに3週間ほどかかった。6月20日あたりから徐々に練習を再開し、7月10日ごろには何とかポイント練習できるようにはなっていた。
ただ、8月の2週目までには完成させなければならない。2か月もない準備期間。
気温もどんどん上がり、練習自体も苦しくなることが分かっていたため、これまでのウルトラとは違うアプローチを考えていた。
それが、1回の練習の距離を長くするのではなく、練習頻度を増やすことだ。夏場に30km走を毎日はきついが、朝と夕方に分ければ、連日でも行える。60kmや80kmといった練習をしてしまうとダメージも大きく、前後の練習を落とさざるを得なくなる。
それなら、分割で毎日絶えず負荷を与え続ける方が身体は短期間で順応してくれるのではないかと考えた。
とはいっても、7月末までは仕事の関係でも忙しく、毎日30kmとはいかない。実際しっかり強化期間として設定したのは、7月最終週~8月11日までだ。
ここでどれだけ積めるか、しかもただ量だけでなく、いかに疲労なく毎日の距離数を流していけるかに課題を置いた。
暑さ対策としても、帽子に入れる氷や、首に巻く冷感のもの、アームカバーなど、何が一番ストレスなくかつ身体を冷やせるかを試した。
補給についてもかなりいろんなバリエーションを試し、自分に合いそうなものを模索した。
8月の初頭には、万博公園で行われた90分耐久レース+1500m×2本という大会にも参加した。これがウルトラに生きるのかはわからないが、練習としては高負荷がかかり、刺激が入った。その日の夕方にもjogしたため、この日は50km近く走れた。

このように、少ない時間で工夫しながら組み立てられていた。それでも当然不安はあった。ウルトラ初心者の自分があれこれ考えてメニューを作ったが、これでいいのか? 
もっと距離走をした方がいいのでは?
本番60kmくらいでリタイヤなんてことも…?などと余計な考えもたくさん浮かんだ。当然、答え合わせは走ってみなくちゃ分からない。
学生のテスト勉強もこんな感じかもしれない。この勉強の仕方であっているのか?と。
人間やはり効率性を求めてしまう。より効果のある(ありそうな)ものに飛びつく。受験期に同じような参考書を何冊も買ってしまうあの現象と似ているのかもしれない。
マラソンでも、「この練習で3時間が切れる」なんていうメニューがたくさん流れているが、あまりメニューばかりにこだわっても仕方がない。
やるべきこと、要点を捉えてあとはひたすら積み上げる。
地味だが、それこそ本質かもしれない。
結局は効率だけではない。自信をもってやり抜く図太さも必要だと思う。

勝負

練習はできた。最後の1週でしっかり疲労もとれた。どこにも痛みはない。
それでも前日、恐怖心は残っていた。最高35℃で24時間レース。もともと暑さに弱い自分にできるのだろうか。怖い…
サポートしてくれる人たちのためにも、しっかり走りたい。それでも怖い…

それでも朝はやってくる。怖かろうが、難しかろうが走る以外にない。
エリートランナーではない自分が、挑戦することに意味があると言い聞かせて目指した道だ。挑戦できることは才能だ。

朝ご飯を食べ、暑いシャワーを浴びてから出発した。
この夏一番熱い日だ。

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